2022年4月19日(火)

8年間、争われてきた「原発避難訴訟」あす、さいたま地裁で判決 埼玉に避難した96人が提訴、争点は

原発避難訴訟20日、さいたま地裁で判決

 東京電力福島第1原子力発電所の事故により、避難生活を余儀なくされ、福島県から埼玉県内に避難してきた被災者29世帯96人が国と東電を相手取って、慰謝料など計約11億円の損害賠償を求めている国家賠償請求の集団訴訟の判決が20日、さいたま地裁(岡部純子裁判長)で言い渡される。2014年に提訴され、約8年にわたり争われてきた訴訟の主な争点は10メートルを超える津波の予見可能性があったかどうか。同様の訴訟は各地であり、国の責任を認めたり、否定したりと司法の判断が分かれている。

 県内避難者による集団訴訟は、2014〜16年に計4回提訴され、原告は29世帯96人に上る。

 訴状などによると、被災者側は原発事故の影響で放出された放射能汚染により避難を余儀なくされ、多くの損害を受けたとして、国と東電に損害の賠償を請求している。「国には津波が来ることを予見しておきながらその対策をしなかったとし、東電には無過失責任などで賠償する義務がある」などと主張している。

 主な争点は、津波の予見可能性で、国は10メートルを超える津波が来ることを想定できたかどうか。また、東電が避難者らに賠償する必要があるかどうかなどが問われている。

 被災者側は、02年に政府が公表した地震予測の長期評価に基づき、「国は原子炉施設の安全性を損なう恐れのある津波が来ることを予見できていたのにもかかわらず、東電に規制権限を行使しなかった」としている。

 一方、国は「津波の予見はできず、予見ができ対策が行えたとしても事故は防げなかった」と反論。また東電は、避難者に「事故が原因で避難したのではなく、転勤や教育上の都合で引っ越しただけ」などと、避難と事故の因果関係を否定する主張をしている。

 審理は約8年間にわたり40回行われてきた。各地で起こされた同様の集団訴訟は、千葉県に避難した住民らの訴訟で、最高裁の弁論が4月15日に開かれて結審した。国の責任の有無について二審の判断が分かれた福島、群馬、愛媛の3訴訟も4〜5月に弁論が予定され、夏に最高裁が統一判断を示す見通しとなっている。

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