埼玉新聞

 

<新型コロナ>私立中学の入試、埼玉で始まる 緊急宣言下、塾関係者の激励なく 受験生ら静かに会場へ

  • 学校関係者の案内に従って試験会場に向かう受験生と保護者ら=10日午前8時ごろ、さいたま市西区の埼玉栄中学校

 新型コロナウイルス感染の急激な拡大を受け、首都圏1都3県が緊急事態宣言下にある10日、東京都や千葉県などに先駆けて埼玉県内の私立中学校の入学試験が始まり、県内外の小学6年生が受験に臨んだ。今年は入り口付近で密にならないよう、受験生の激励に訪れる学習塾関係者らの姿は見られず、受験生たちは学校関係者の案内に従って静かに会場へ向かった。

 県内では学校の一斉休校や入試中止の措置は取られず、対策を万全にした上での受験機会の確保が図られている。この日、試験が実施されたさいたま市西区の埼玉栄中学校では、一つの教室での受験者数を40人から34人に減らして間隔を取り、各机にパーティションと除菌スプレーを設置。1時間に2回空気を入れ替える空調システムも稼働させた。

 同校の原田道之教頭は「今年は受験者数が減っており、特に県外からの受験生が移動による感染リスクを回避して受験を控えている」と説明。さらに「コロナ禍の影響で学校説明会も通常通りに実施できず、定員限定の説明会はすぐに満杯。保護者にとってもストレスだったのではないか」と振り返った。

 今後はウィズコロナで入試の在り方も変わっていくとした上で、「受験生が安全に試験を受けられることが大事。来年度以降も万全の対策を取っていきたい」と話した。

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