埼玉新聞

 

秋のバラ、さいたまの与野公園で見頃 春より鮮やか…今秋はつぼみのせん定せず「距離保って利用して」

  • 赤やピンク、黄色など多くのバラが咲く与野公園のバラ園=22日、さいたま市中央区本町西1丁目の与野公園

 さいたま市中央区の与野公園で、秋のバラが咲き始めている。今春は新型コロナウイルスの感染防止で密集を避けるため、つぼみの段階で摘み取るせん定を行った。今秋は同様の対策を取らず、市南部都市・公園管理事務所は「距離を保って注意しながら、利用してほしい」としている。

 与野公園のバラ園は約5500平方メートルの敷地に、「レッドクイーン」(赤)、「月光」(黄)、「聖火」(白に濃ローズの覆輪(ふくりん))など約180種、約3千株のバラが栽培されている。秋のバラは例年、10月中旬から11月初旬まで観賞できる。紫外線をあまり受けないため、春のバラよりも色が鮮やかだという。

 今春のせん定作業で、「心の中で涙を流しています」と話していた中央区バラサポーター会長の井原正さんは「秋のバラは種類によって長く見られる。一つの株で1~2週間にわたって、花が順番に咲く。観賞するだけでなく、ぜひ香りも楽しんでほしい」と呼び掛けていた。

 香りはマスク越しでも感じられた。親子で散歩したり、ベンチでお弁当を食べたりする人のほか、アマチュアカメラマンの姿も見られた。近くの病院に入院している父親を見舞いに訪れた50代女性と80代の母親はベンチに座って、バラを観賞していた。「素晴らしくきれい。広々としていて楽しめた。母は久しぶりに外出して、リフレッシュできた」と話していた。

 今年は5月に行われる予定だった「ばらまつり」、秋に開催予定だった中央区区民まつりなどのイベントも、コロナの影響で中止となっている。

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