埼玉新聞

 

平和への祈り…参列できなかった遺族の分も 規模縮小の戦没者追悼式、県内から17人の遺族が参列

  • 全国戦没者追悼式で黙とうする県内参列者=15日正午ごろ、東京都千代田区の日本武道館

 終戦から75年を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で、20府県の遺族が欠席となったが、参列者は戦没者約310万人を悼み、不戦の誓いを新たにした。天皇陛下は昨年に続き、お言葉に「深い反省」との文言を盛り込まれた。

 県社会福祉課によると、追悼式には県内から17人の遺族が参列した。内訳は遺児が10人、兄弟姉妹が2人、孫1人、おい、めいら4人。参列者の平均年齢は74・8歳だった。

 県内の戦没者は軍人・軍属含め4万8453人に上る。

 参列した県内遺族の最高齢は父を亡くした美里町の高橋保雄さん(83)。高橋さんの父親義さん=当時(38)=はフィリピン・ルソン島の山中で亡くなった。

 父は1944年8月に日本軍に入隊。約3カ月間の訓練を経てフィリピンに旅立った。

 当時、高橋さんは国民学校の3年生。父との思い出は多くはないが、出征前の同年10月、父が訓練を行っていた神奈川県内の軍の施設へ面会に行ったことを覚えているという。「会話の内容は覚えていないが、当時『兵隊屋敷』と言われていた施設での面会が父に会った最後だった」と振り返る。

 「長いようで短かった75年。この場に来るたびに二度と戦争をしてはいけないと強く感じる」と高橋さん。今年は新型コロナウイルスの影響で規模を縮小した形での実施となったが、「県の代表として参列できなかった遺族の分も追悼の思いを伝えたい」と平和への祈りをささげた。

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