埼玉新聞

 

<和光殺人>臓器に達する刺し傷、盗難車の遺体に 車内に争った形跡なく 遺体は布で包まれテープ貼られる

  • 遺体が見つかった軽自動車が止められていた駐車場=11日午前9時ごろ

 和光市の駐車場で車内から住所、職業不詳岩渕和政さん(31)の遺体が見つかった事件で、県警の朝霞署捜査本部は12日、司法解剖の結果、岩渕さんの死因は失血死だったと発表した。上半身には刃物で刺したような複数の傷があり、県警は殺人事件と断定。岩渕さんが刃物で殺害され、車内に放置されたとみて調べる。

 捜査関係者によると、傷は腹や胸など上半身に集中。一部は臓器に達するほど深く、これらが致命傷になった可能性がある。遺体は布のような物に包まれ、テープが貼られていた。傷みが激しく、死後数週間以上が経過しているとみられる。

 車は4月中旬に東京都板橋区内の会社から盗まれた軽ワゴン車で、盗難届が出ていた。

 捜査本部によると、車内からは血痕が見つかっており、一見して争ったような形跡はなかった。車は駐車場の契約車両ではなく、「1週間ぐらい前から止まっていた」という通報があったものの、それ以前から現場に置かれていた可能性もあるという。

 県警は周辺の防犯カメラ映像を精査するなどして、駐車場に車が止まっていた経緯や、関与していた人物がいないか調べる。

ツイート シェア シェア