埼玉新聞

 

<新型肺炎>アルコール消毒液の代用品、県内メーカーに注文殺到 ノンアルコールでウイルス対処も

  • 純閃堂では各種製品の需要が急増。商品のラベル貼り付けを急ピッチで進めている=東松山市田木の同社

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、全国的に不足状況が続くアルコール消毒液の代用品の需要が高まっている。その状況下で県内の除菌液を製造するメーカーには、注文が殺到。各社ともに生産体制を増強し、急増する需要に対応しようとしている。

 殺菌水希釈混合装置などを扱うヴィータ(ふじみ野市)では、除菌・消臭水の「アルヴィシャット」の受注が伸びている。次亜塩素酸ソーダと塩酸からできた除菌・消臭水だ。近年、次亜塩素酸は口腔洗浄剤の主成分として活用が広がっていることでも知られる。

 同社では空間除菌や清掃液などを主目的として2リットル(税込み3190円)、4リットル(同4840円)、10リットル(同6985円)、20リットル(同1万1275円)の4種を販売する。インフルエンザやノロウイルスが流行する冬場に売り上げが伸びるが、新型コロナ感染拡大を受け1月中旬から注文が急増。2~3月の販売量は前年同期比で3倍以上となっている。注文の急拡大による容器不足、同じく販売する噴霧器の品薄状態も続いている。

 「衛生管理に貢献できればと思っている。必要とする方々に商品を届けていきたい」と話す太田好紀社長。食品加工業や飲食店向けの大型生成機も販売しており「自粛ムードが続き大変な時期だが、改めて生成装置の機能を紹介したい」と語る。

 ハウスクリーニング業者など向けにカビ除去液などを製造、販売する純閃堂(東松山市)では、マスク向け殺菌スプレー「ピューナ」(50ミリリットル、同1398円)、飲食店や小売店などの入り口に置いて使う泡で出る殺菌液「手さら美人」(300ミリリットル、同1980円)を販売する。

 両商品ともにノンアルコールタイプ。主成分は一般的な植物に含有され外的から身を守る成分「フィトンチッド」で、ボタンから抽出した。日本食品分析センターなど一般的な検査機関で、主だった細菌ウイルスに対処できることが分かっている。

 販売は大手ネット通販サイトで行っているが、感染拡大で注文が急増。安藤純一社長はインフルエンザが流行する時期に関心がある人が買い、冬期は毎月200個程度売れていたというが、現在は急増。「2~3月の2カ月は計2万個以上売れ、生産が追い付かない状況」と話す。

 「ピューナ」は個人が大半。「手さら美人」は同市周辺の公的機関、医療・福祉機関、飲食店などからの注文が多い。女性利用者からは「手が荒れず、一般的なアルコール消毒液よりありがたい」との声が多く寄せられているという。

 安藤社長は、感染予防の一般的な対策の手洗い、換気、清掃などの徹底に加え「当社の商品を活用し、感染予防の質を高めてほしい」と話す。

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