埼玉新聞

 

がんと闘う新拠点、戸田中央総合病院に完成 高精度な治療、患者の負担を軽減 3月中旬にオープン

  • 担当者の説明を聞く上田清司前知事、大野元裕知事=戸田市

 戸田市本町の戸田中央総合病院にがんと闘う新拠点として5番目の病棟となるE棟が完成し、3月中旬にオープンする。放射線治療部門はテストを経て夏に動きだす。2月29日に、関係者を招いた内覧会があり、大野元裕知事や前知事の上田清司参院議員らが見学した。

 地上3階建てのE棟は敷地面積695平方メートル、延べ床面積1861平方メートル。濃い茶色とクリーム色のツートンカラーで窓が広いのが特徴。1階には高精度放射線治療システムを設置。脳や肺などの小さな病巣にピンポイントで短時間の放射線照射が可能で、患者の負担が軽減される。

 2階は全て個室で、体や心のつらさを和らげる緩和ケア病棟。室内にトイレとシャワーがない個室は大部屋と同じ低価格という。3階はCT装置と核医学検査を組み合わせた新鋭装置があり、病変を見つけ、位置や状況をカラーで画像化し、正確な診断と治療に役立てる。

 上田前知事と一緒に見学した大野知事は「がん治療には多様なニーズがある。特に緩和ケア病棟は明るい個室で家族への配慮も感じる。大変心強いと思う」と述べた。

 案内した原田容治院長は「患者さんへのサービスアップになる設備がそろった。しっかりやりたい」、中村毅理事長は「がん治療は避けて通れない。さらに気合を入れてやっていきたい」と話した。

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