埼玉新聞

 

業界の信頼回復へ決意 埼玉損保会・萩之内会長に聞く

  • インタビューに答える萩之内誠会長=7日、さいたま市大宮区の損害保険ジャパン埼玉中央支店

    インタビューに答える萩之内誠会長=7日、さいたま市大宮区の損害保険ジャパン埼玉中央支店

  • インタビューに答える萩之内誠会長=7日、さいたま市大宮区の損害保険ジャパン埼玉中央支店

 損害保険業界は旧ビッグモーターによる保険金の不正請求や保険料の事前価格調整(カルテル)など一連の不祥事を受けて、代理店の業務品質を第三者が評価する制度を今年4月から正式に始めた。大手8社が加盟する日本損害保険協会関東支部・埼玉損保会長に6月30日付で就任した損害保険ジャパンの萩之内誠埼玉中央支店長(57)は「事業の在り方そのものを根底から見つめ直し、真にお客さまの最善の利益を追求する業界へと生まれ変わる」と意欲を見せる。業界の信頼回復への決意を聞いた。

―自然災害などの備えは。

 「県内の地震保険付帯率は全国40位の65・6%(2024年度末)と低い。地域によって防災意識にばらつきがあり、各種セミナーや自治体への提言なども積極的に行いたい。特に県内は台風や豪雨による河川氾濫が危惧されるため、昨年5月の江戸川、中川・綾瀬川流域治水協議会への参画を契機にハザードマップやデジタル・マイ・タイムライン(避難行動作成ツール)の普及を図りたい」

―防災リテラシーを高める取り組みは。

 「成年年齢の引き下げに伴い、18歳時点で社会人としての行動が求められる昨今、自ら保険を選択できる状態を目指して、高校生向けに金融リテラシー教育に取り組んでいる。家庭科や公民科・商業科の授業で活用できる教材があるので、学校関係者への働きかけを強化したい。現在、関東甲信越地区で100校を目標に展開中だ」

 「1人暮らしの高齢者などを中心に保険金を使って家屋などの不要な修理を唆す詐欺(点検商法)も増えており、警戒が必要だ」

―高級車を狙った自動車盗難も多い。

 「25年の県内自動車盗難認知件数は756件。2年連続で全国ワースト2位と予断を許さない状況が続いている。年々、犯行手口も巧妙化しており、県警や関係機関と連携して今後も注意喚起に努める。車両盗難や住宅修理に関連する不正請求は本来守られるべき優良顧客に不利益をもたらすため看過できない。業界として厳正に対処する」

―自転車や電動キックボードなどの事故対策は。

 「都内近接地域は道幅が狭く事故率も高めだ。飲酒運転などの問題もある。業界全体で交通安全意識の高揚を推進し、負傷者を減らすためのリスクマネジメントの浸透を図る」

―県内着任の抱負を。

 「損害保険事業は公益性が高く、安心・安全なまちづくりに欠かせない。不正請求対策や各種啓発活動を通じて、県民が埼玉に住んで良かったと感じられる安心・安全な環境づくりに貢献したい。大野知事が推し進める『日本一暮らしやすい埼玉』の実現に向けて、会員一同、足並みをそろえる」

【萩之内誠(はぎのうち・まこと)】 1969年大阪府出身。関西学院大学法学部を卒業後、92年4月、安田火災海上保険(現・損害保険ジャパン)に入社。札幌法人営業部長、千葉西支店長などを経て、2023年4月、北九州支店長に就任。26年4月から損害保険ジャパン埼玉中央支店長。6月30日付で日本損害保険協会埼玉損保会長を兼任。

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