激アツ、ボケ…認知症の女性、1995万円を失う 必要ない住宅工事で リフォーム会社の男女逮捕、準詐欺の疑い 「点検させて」と家に入り、ペットボトルの水をトイレにまいて水漏れを演出…工事契約を迫った
認知症の女性に対して必要のない住宅工事を契約させて現金1995万円を受け取ったとして、埼玉県警生活経済課と小川署は2日、準詐欺の疑いで、住宅リフォーム会社「NEXT HOME」(東京都杉並区)の社長ら男女4人を逮捕した。県警によると、主に集合住宅を対象として設備点検を称して訪問して修繕の契約を求める「点検商法」の手口で、埼玉県など5都県の約850人から受け取っていた契約金は計約10億円に上るとみられている。
逮捕されたのは同社社長の男(30)=東京都中野区新井1丁目=と同社元社員ら27~30歳の男女4人。
逮捕容疑は共謀し、認知症の千葉県松戸市の女性=当時(80)=方でトイレ改装工事など計6回の工事請負契約を結ばせ、2024年6月21日から同年11月12日までの間、6回にわたり工事代金として現金計1995万円を同社の口座に振り込ませた疑い。県警は共犯事件のため、認否を明らかにしていない。
同課によると、男らは女性方を訪問し「上の階で水漏れがしているので点検させてください」などと話し家屋内に入ると、あらかじめ用意していたペットボトルの水をトイレにまき、水漏れを装い工事契約を迫ったという。その後も洗面所や風呂、台所、分電盤などの修繕についての契約も結ばせていた。
22年9月~25年10月にかけての契約金額は計約10億円に上るという。訪問先の住人が認知症だった場合は、社員間で「激アツ」「ボケ」「ド当たり」などと情報共有していた。
25年2月、小川町の男性から実際に必要のない住宅修繕に関して契約を持ちかけられたと県警に相談があり捜査を開始。その後、松戸の女性が被害に遭ったことを確認した。県警は25年10月に同社を家宅捜索。押収したパソコンや契約書などから4人の犯行を特定した。
■点検商法が増加傾向
業者の訪問をきっかけに、住宅の修繕工事などを契約させられる「点検商法」の被害が後を絶たない。県消費生活支援センターによると、2024年度の1年間に同センターに寄せられた点検商法に関する相談は、前年から約2・4倍増の2665件で過去最多を更新した。25年度の上半期(4~9月)は前年同期比約1・7倍の1519件で、年々増加傾向が続いている。
点検商法の相談はこれまで、屋根の修繕に関するものが多かったが、25年度は給湯器や分電盤が目立つという。特に分電盤は25年度上半期が454件で、前年同期と比較して約5・5倍に急増した。同センターは「屋根と比較して契約金が安価でハードルが下がっていることに加え、分電盤などの電気系統は『火事になるから危険』というような不安をあおるケースが散見される」と分析する。
相談者の年代別では、70代以上が全体の6割超で最も多い。同センターは点検商法などの訪問販売は原則契約日から8日間、適切でない契約であれば工事完了後にもクーリングオフが可能とした上で、「業者からの言葉に不安に感じて慌てて契約するのは危険。おかしいと思ったら各自治体にある消費生活支援センターや消費者ホットライン『188』に電話してほしい」と呼びかけている。











