埼玉新聞

 

埼玉・空き家でにぎわい…宮代・セレクト横丁「ロッコ」 築50年の平屋6棟、地元建設会社がリノベ イベントで地域住民集まる 町を盛り上げたい

  • リノベから3年半。イベント「ロッコナイト」は大勢の人でにぎわっていた

    リノベから3年半。イベント「ロッコナイト」は大勢の人でにぎわっていた

  • リノベーションをする前の平屋建て(中村建設提供)

    リノベーションをする前の平屋建て(中村建設提供)

  • こだわりの自家製ヨーグルトを提供する「M YOGURT」

    こだわりの自家製ヨーグルトを提供する「M YOGURT」

  • 夜が更けてもイベントでにぎわうロッコ

    夜が更けてもイベントでにぎわうロッコ

  • リノベから3年半。イベント「ロッコナイト」は大勢の人でにぎわっていた
  • リノベーションをする前の平屋建て(中村建設提供)
  • こだわりの自家製ヨーグルトを提供する「M YOGURT」
  • 夜が更けてもイベントでにぎわうロッコ

 2022年にオープンした埼玉県宮代町の「セレクト横丁 ROCCO(ロッコ)」。地元建設会社が築50年の空き家をリノベーションした。オープンから3年半、6月上旬に行われたイベントは、にぎわいに包まれていた。成功の鍵や可能性、課題を取材した。

■オープンから3年半、イベントにぎわい

 ロッコは2022年秋、宮代町道佛、東武スカイツリーラインの東武動物公園駅から1㌔以上離れた路地にオープンした。

 取材した当時は、完成したばかりで閑散としていた。「注目が集まるのははじめだけ?」と率直に思った。

 2026年6月6日に開かれたイベントはその名も「ロッコナイト」。不安は裏切られ、路地は大勢の町民でにぎわっていた。

 セレクトショップに加え、20を超えるテントが並び、イベントは子どもから大人まで多くの人であふれかえっていた。あれから何があったのか、関係者に声をかけた。

 そもそも「ロッコ」とはどんな場所か。もともとは、古びた平屋が6棟並んでいた。平屋は1970(昭和45)年に建てられ、築50年が経っていた。しかも6棟は借り手がなく空き家だった。

 同じ形をした平屋が6棟並ぶ空間。レトロな雰囲気があった。この平屋に目を付けたのは地元で建設業を営む中村建設。

■空き家の平屋6棟をリノベ

社長は「まるでコピペしたような空き家だった。リノベしたら面白いんじゃないか。軽い気持ちで始めた」と6棟を丸々リノベをすることを決めた。

 平屋1棟あたりの面積は約33平方メートル。平屋の躯(く)体はそのままに、外装は白を基調に、内装は木の温もりがふんだんに感じられるデザインにした。古びた平屋は、和モダンな店舗に生まれ変わった。

 ウッドデッキを6棟全体に敷き広げ、一体感を持たせた。各平屋の間のすき間は飾り付けを施し、くつろげるスペースを生み出した。

 「セレクト横丁」として生まれ変わった「ロッコ」。当時はセレクトショップ4店とシェアキッチン、あずまやとしてスタートした。

 あれから3年半が経ち、「ロッコナイト」はにぎわっていた。セレクトショップにも絶えずお客さんが訪れていた。

■こだわりの店、わざわざ訪れる

 私が特に好んでいたのは珈琲店「Bespoke Coffee Roasters」。オーナーは日本でトップ、世界大会で準優勝に輝いたバリスタだ。

 珈琲を飲みに店に入ると、オーナーは残念ながら不在。ただ一番弟子が取材した当時のことを覚えていてくれた。そうオーナーもさることながら、彼が入れる珈琲がことさら美味しい。

 そんなことを思い出していたら、カウンターで語らう越谷市から来たという家族と談笑が始まった。わざわざ車でロッコを訪れたという。

 隣の店舗、こだわりの自家製ヨーグルト店「M YOGURT」もお気に入り。ギリシャヨーグルトを店内で製造している。

 オーナーは20年来の付き合いがある名物社長。春日部市でお茶屋を営む。美と健康、飲食の時間を大切にしたいと、ヨーグルトに着目した。

 「繁盛してますね」と声をかけると「今は息子が店を切り盛りしている」と自慢げにヨーグルトを差し出した。

 ヨーグルトの濃厚な味わい、甘みと酸味の絶妙なバランス。ヨーグルト好きにはたまらない。

 店内では、ヨーグルトサラダやデザートも販売。この日は発酵つながりで日本酒BARも企画し、盛況だった。

 オープンから3年半。イベントはにぎわいを見せるものの、ロッコの現状や課題はどうなっているのか。ロッコを設計した中村社長の弟、和基さんは「まだまだ知名度が足りない。地元でも知らない人がいる」と苦笑い。

 中村さんらはイベントに向け、1週間に渡り、出店者とビラを配って歩いたという。家と一緒で街並みやにぎわいも維持管理が大切と強調する。

■駅から離れた場所、シェアサイクル活用

 和基さんは「空き家の可能性は人で変わる。町内にはまだまだ空き家がある。空き家を変えていくことで町を盛り上げていきたい」と意欲を見せた。

 店舗の運営も課題の一つ。珈琲やヨーグルトといった「とがった」アイテムがある店は好調だ。セレクトショップは、通販など店舗外での収益が多い。特定の目的がなければ訪れにくい。こうした特徴を理解し出店している店が強い。

 飲食店を中心に苦戦を強いられている店があったという。いかに特色を際立たせるかがポイント。シェアキッチンからスタートし、固定客が増えたお店もあるという。

 駅から離れた場所。通りがかりの客が立ち寄りにくいという特性がある。ロッコでは、廃棄自転車を利用したシェアサイクル(無料)の利用を促すなど、取り組みを進めている。

 和基さんは「もっとロッコのブランディングを強くしていきたい。居心地の良い空間、散歩がてら立ち寄り、くつろげる、ゆったりできる場所になれば」と話している。
 

=埼玉新聞WEB版=

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