埼玉新聞

 

埼玉県オリジナル品種「あまりん」が全国いちご選手権で前人未到の5連覇 秩父の観光農園が育てた日本一のイチゴ、その秘密とは

  • 「奥さんがいなければ今の私はいない」と感謝を示す、ただかね農園の高野宏昭さん(左)と、妻の奈美子さん=17日、秩父市下吉田

    「奥さんがいなければ今の私はいない」と感謝を示す、ただかね農園の高野宏昭さん(左)と、妻の奈美子さん=17日、秩父市下吉田

  • 【地図】秩父市(背景薄緑)

    秩父市の位置

  • 「奥さんがいなければ今の私はいない」と感謝を示す、ただかね農園の高野宏昭さん(左)と、妻の奈美子さん=17日、秩父市下吉田
  • 【地図】秩父市(背景薄緑)

 秩父盆地から再び、全国のいちご生産者が驚く偉業が成し遂げられた。大手洋菓子メーカー・コロンバン(東京都渋谷区)が主催する「第5回 お客様が選ぶ!!全国いちご選手権」で、下吉田の観光イチゴ園「ただかね農園」が生産する県オリジナル品種「あまりん」が、前人未到の5連覇を達成した。園主の高野宏昭さん(51)は「必死にやっていただけなので、実感はない」と笑顔で語った。

 ただかね農園の強みは、環境への負荷を抑えた「サステナブル(持続可能)な農業」だ。

 地元の兎田ワイナリーから出るブドウの搾りかすや地元の生ごみなどを集めて、独自の「ワイン堆肥」を生み出した。畑に混ぜると土壌が排水性と通気性に優れたものになり、保水力・保肥力が高く、イチゴの成長をコントロールしやすくなるという。

 他者がまねできないこの緻密な技術が、あまりんの「甘み、色、艶、香り」を極限まで引き出し、コンテストでの独走を生み出している。病害虫に対しても収穫期間中は農薬に頼らず、納豆菌や自然由来の素材を使った独自のケアで予防を徹底している。

 原動力はシンプルだ。「昔は、自分の子どもたちに食べさせてもいいものを作っていた。そんな農業の本質を守っていきたい」。変わらないスタイルで挑戦を続け、次の世代へ確かな形で経営をバトンタッチする。それが高野さんの将来の夢でもある。

 高野さんは「重圧で胃が痛い時もあったが、お客さんをがっかりさせたくなかった。また大会があれば挑戦したい」と次なる目標を口にした。

 秩父の土から生まれた日本一のイチゴは、農業に対するこだわりと家族への思いが支えている。

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