埼玉新聞

 

銅線ケーブル盗む…容疑の男2人を再逮捕 ケーブルは業者に売却…余罪は100件以上か 栃木の市営グラウンドの照明用 子どもの野球教室や地元企業の試合などで使用…照明が使用不可、ナイターの貸し出しを中止に

  • 被害に遭った矢板運動公園多目的グラウンド

    被害に遭った矢板運動公園多目的グラウンド=7日、栃木県矢板市幸岡

  • 昨年5月の被害直後の様子。マンホールふたが外され、埋設していたケーブルが盗まれた(矢板市提供)

    昨年5月の被害直後の様子。マンホールふたが外され、埋設していたケーブルが盗まれた(矢板市提供)

  • 被害に遭った矢板運動公園多目的グラウンド
  • 昨年5月の被害直後の様子。マンホールふたが外され、埋設していたケーブルが盗まれた(矢板市提供)

 栃木県内にある市営グラウンドの照明用銅線ケーブルを盗んだとして、県警捜査3課などは8日、窃盗の疑いで、いずれもカンボジア国籍で住所不定、無職で31歳の男、無職で29歳の男=いずれも窃盗で起訴=を再逮捕した。県警はこれまで2人を含む29人のカンボジア人グループを摘発し、2人に関わる余罪が100件以上あるとみて捜査している。

 再逮捕容疑は氏名不詳の者と共謀し、昨年5月18日午後1時~翌19日午前9時ごろ、栃木県矢板市幸岡の矢板運動公園多目的グラウンドの照明用ケーブル計201メートル(計約129万円相当)を盗んだ疑い。31歳の男は「仲間と野球場から銅線を盗んだことは間違いありません」と容疑を認め、29歳の男は黙秘している。

 県警はこれまで、北関東を中心に本州全域で太陽光発電施設などから銅線ケーブルを窃取した窃盗事件を35件(被害総額約1億5千万円)確認し、21~36歳のカンボジア人の男女29人のグループを摘発。余罪の捜査から、31歳の男らの照明用ケーブルの窃盗事件への関与が浮上した。

 盗まれたケーブルは計約1・2トンで、金属買い取り業者に売却したとみられている。県警は3月にグループの犯罪収益を受け取りカンボジアに送金する「地下銀行」行為を行ったとして女2人を逮捕しており、今回の事件も同様に売却して得た現金の一部は、地下銀行を通してカンボジアに送られたとみている。

 男らはすでに別の太陽光発電の銅線盗の容疑で逮捕されていた。被害現場のグラウンドでは過去にも同様の犯行手口で照明用ケーブルが盗まれる事件が発生していることから、男らの犯行とみて捜査している。

■照明使えずナイター中止 栃木・矢板市、修復に8千万円

 銅線盗の被害に遭ったのは栃木県矢板市の矢板運動公園多目的グラウンド。ナイターの設備があり、少年野球教室や地元企業の野球チームの試合が行われており、市の担当者は「子どもたちの運動は教育でもあり、大人たちの運動もできなくなっている。被害や損害は大きい」と話す。

 矢板市によると、被害に遭ったのは2024年11月と25年5月の2回で、マンホールのようなふたを外されて銅線が盗まれた。24年の被害では、約500メートルの銅線が窃取された。八つある電灯のうち四つが使用できなくなり、ナイターは半面での使用を余儀なくされた。被害後には管理している業者なども見回りを増やし、防犯カメラを増やした。ふたは溶接で固めていた。

 しかし、25年の被害では固めたふたがアスファルトごと剥がされ、約380メートルの銅線が奪われた。残る四つの電灯のうち二つが使用不可となり、ナイターでの貸し出しを中止した。現在は代替として市内の小学校を利用している。

 1回目の被害後、工事費が3千万円に上ることから、市は修繕費のためにクラウドファンディングを実施。サイトや窓口を通じて約930万円が集まった。2回目の被害もあり、市は本年度予算に修繕費として8千万円を計上。4月中に工事を発注し、来年1月末までの修復を目指している。

 担当者は「今後も早期の復旧と、再発防止策を取っていきたい」としている。

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