埼玉新聞

 

激高…会話中の同級生、カッターで男子生徒を切る 学校で昼休み中に恐怖…保健室で「転んだ」と説明、その夜カッターの写真がスマホに届く 3年後「切られた」と告白、初めて知った保護者が憤る 7針を縫う傷だった

  • 男子生徒が同級生にカッターで切りつけられる事件が発覚した県立伊奈学園中学校=25日午前、伊奈町学園

    男子生徒が同級生にカッターで切りつけられる事件が発覚した県立伊奈学園中学校=25日午前、伊奈町学園

  • 【地図】伊奈町

    伊奈町の位置

  • 県立伊奈学園中学校の周辺(国土地理院HPより)

    県立伊奈学園中学校の周辺(国土地理院HPより)

  • 男子生徒が同級生にカッターで切りつけられる事件が発覚した県立伊奈学園中学校=25日午前、伊奈町学園
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 2022年6月、伊奈町の県立伊奈学園中学校で、3年生の男子生徒=当時(14)=が同級生の男子生徒(同)からカッターで切りつけられる「傷害事件」が起きていたことが、関係者への取材で明らかになった。県教育委員会は「いじめ重大事態の疑い」があるとして、第三者による調査委員会を設置する方針。一方、被害生徒の保護者は「学校や教育委員会とは別の組織で中立的な第三者委員会」の設置を要望。学校に対しては中高合同の保護者会を開き、事実関係の説明を求めている。

 被害生徒によると、22年6月27日、昼休み中に話していた相手生徒がいきなり激高し、ペンケースからカッターを取り出して、右膝を切りつけてきたという。「報復されるのが怖かった」という被害生徒は、保健室に行き養護教諭に「自分で転んで、誰かのバッグから出ていた刃物でけがをした」と説明。応急処置の後、連絡を受けた保護者と共に近くの医療機関を受診し7針を縫った。学校はその時点では傷害事案と把握しなかったため、救急車を呼ばず、警察にも届け出なかった。

 昨年6月に行われた三者面談の際に、被害生徒が当時のことを「実は切られた」と告白。保護者も学校も初めて傷害事案を確認したという。その後、被害生徒の保護者が警察に被害届を提出。「少年事件」として捜査が行われ、加害生徒は家裁に送致された。

 被害生徒は埼玉新聞の取材に「逃げようとして追いかけられて切られた。その日の夜にカッターの写真がスマートフォンに(加害生徒から)送られてきて、怖くて本当のことが言えなかった」と話す。保護者は「学校が救急対応をしなかったことがおかしい。当事者や教室にいた生徒たちの聞き取りをきちんとしてくれていれば、こんなに長い間苦しませることはなかった」と憤る。

 学校によると、担任教諭と養護教諭は「事故」の現場である教室内を見回り、刃物状のものがないかを点検したという。生徒がけがをした場合の救急要請についてはマニュアルがあり、けがの程度に応じて対応することになっていた。小泉学校長は「どうしてそのような判断になったのかは今後の調査でしっかり原因究明する」と回答した。

 県教委は今年1月、第三者委員会の設置について文書で通知。3月上旬にも設置するとしており、「被害生徒の3年間のご心労に対して申し訳なく思う。調査態勢を整えて、真摯(しんし)に対応してきたい」と話している。

 同中学校は、県内で唯一の県立中高一貫校。03年に県立伊奈学園高校に併設される形で開校した。80人の定員のうち男子生徒は15人程度で、基本的には全員が高校卒業まで6年間を過ごす。

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