野党に衝撃と戸惑い 落選者が多数、再建の道のりは見通せず 与党を過半数割れに追い込んだ1年3カ月前の前回選挙とは激変
与党に強大な追い風が吹いた今回の衆院選。野党の立憲民主党と公明党は新党「中道改革連合」を結成し生活者ファーストを訴えて臨んだが、県内全ての小選挙区で議席を失う歴史的大敗を喫した。野党が県内で獲得した議席は、比例復活を含めても中道1、国民民主2の計3議席。参政党などは議席を伸ばしたが、与党を過半数割れに追い込んだ1年3カ月前の前回選挙とは激変した。多くの落選者を出し、再建の道のりは見通せない。
■肌感覚との乖離
県内小選挙区で出馬した候補者が全敗する中道改革連合にとって衝撃的な結果に、関係者らは「信じられない」と口をそろえた。
結成直後の選挙となった中道は、結成の理由を説明して浸透を図りながら、生活者ファーストや非核三原則堅持などを訴えた。候補者の応援に入った立憲県議は「選挙カーや演説への(有権者の)反応は悪くなく、序盤の自民優勢報道もあっていい意味で緊張感もあった。逆風はそんなに感じていなかったのに」と戸惑いを見せる。
陣営の肌感覚と実際の結果との乖離(かいり)を、連合の幹部は「公明の熱心な応援で集まっていた人を、盛り上がりと勘違いした。結果、新たな支持を得るための対応がずれてしまった」とみる。共同通信の出口調査によると、中道に投票した、支持政党を持たない有権者が28%なのに対し、自民は43%。国民民主などの支持層も、支持政党の候補者がいない選挙区では自民に投票した割合が多かった。
■世間からは「左」に
中道支持層以外への広がりを欠いた背景には、浸透不足以外に想定以上の高市人気も挙げられる。立民県連の幹部は「候補者同士の対決のはずが、途中から高市さんと戦っているみたいだった」とこぼし、「中道よりも高市さんの方が夢と希望を与えたんじゃないか。われわれの力不足だ」と冷静に敗因を分析した。
公明関係者は「政治の中にいるわれわれは『中道』だと思っていたが、世間からは『左』に見えていたのかもしれない」と有権者からの見え方を指摘。情勢が厳しくなるにつれて政権批判が増えた中道と比較し、「若い世代はネガティブを嫌う傾向にある。政策論争に持ち込まず、ポジティブなことを訴える自民の戦略によって中道の位置を左にずらされた」と嘆いた。
■訴えるほど与党に
国民民主は、県内では小選挙区の議席を失った。比例復活した13区の橋本幹彦は前回より約8千票を上積みし、14区の鈴木義弘もほぼ横ばいの票数を獲得した。しかし、両区とも今回は維新の候補者が出馬せず、推薦を受けた自民の候補者が2人の得票数をそれぞれ上回った。
自民に吹いた追い風に、県連会長の鈴木は「われわれが強く訴えれば訴えるほど、このまま野党に任せていいのかという不安から、与党に流れたのでは」と振り返った。
比例での議席奪取を図った参政は、前回衆院選から県内で約15万票を上乗せ。目標としていた比例3議席には届かなかったが、約25万票で2議席を獲得した。党勢拡大へ、参政の強みであるインターネット上の知名度を生かすために、現役世代の多い県南部の選挙区を中心に6人を擁立。共同通信の出口調査では10~50代を中心に幅広く一定の支持を集め、戦略が奏功した。
一方、小選挙区では伸び悩んだ。地方議員経験者の2区の菅野静華を除いた5候補者は得票率が10%前後と振るわず。小選挙区で戦い抜くために、地域の地盤固めという課題を残した。
県連幹部は「選挙戦を通して、国を変えていくには、地方議員の力が重要だと肌で感じた」と明かし、2027年の統一地方選を見据えながら、党の躍進を図る。=敬称略









