埼玉新聞

 

「動ける人ができることを」 昨年1月の能登半島地震で被災 石川・七尾の青年会議所理事長ら埼玉で講演 「寝られない日々を過ごした」

  • 講演する七尾青年会議所理事長の龍香織さん=5日午後、深谷市武蔵野のナチュラルスペースグリム

    講演する七尾青年会議所理事長の龍香織さん=5日午後、深谷市武蔵野のナチュラルスペースグリム

  • 講演する七尾青年会議所理事長の龍香織さん=5日午後、深谷市武蔵野のナチュラルスペースグリム

 日本青年会議所(JC)関東地区埼玉ブロック協議会は5日、県内の災害対策とネットワーク強化推進のため「埼玉防災広域連携訓練2025 IN FUKAYA」を深谷市武蔵野のナチュラルスペースグリムで行った。昨年1月の能登半島地震で被災した石川県七尾市の七尾青年会議所理事長の龍香織さんと同直前理事長の壁屋俊輔さんが講演し、「動ける人ができることをやるべき」と強調した。

 地震時に専務理事だった龍さんは支援物資の受け入れに追われた。全国各地の仲間たちからも連絡を受け、「ありがたかったけど、寝られない日々を過ごした」と明かした。自分が営むバーもほとんどのボトルが被害を受け、「自分の店を片付けるのが一番しんどく、現実と向き合えなかった」と振り返った。

 当時は理事長だった壁屋さんは建設会社を営んでおり、地震直後から電話が殺到し、インフラ復旧に専念した。「理事長として機能せず、すごく情けない気持ちだった。申し訳なく、悔しかったが、先輩に『お前のやるべきことはインフラ復旧』と言われた」と語った。一方で、毎晩オンラインで会員の顔が見られる機会も設けたという。

 昨年10月には復興イベント「のとスマイルフェス」を開催。全国各地の仲間を集めて「全国グルメ屋台」を開催したり、手筒花火の打ち上げなどを行い、好評を集めた。龍さんは「旅行に行けなかったので、旅行に行った気分にしたかった」、壁屋さんは「来てくれた皆さんに感謝しかなく、名前通りのスマイルフェスができた」と話していた。

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