埼玉新聞

 

「金を盗むのが目的だったが、ばれてしまったので殺した」…大工の男逮捕 女性の首を圧迫して死亡させた疑い 空き家で火災、焼け跡から遺体が発見された事件

  • 女性の遺体が見つかった火災現場=9月26日午後、さいたま市桜区田島9丁目

    女性の遺体が見つかった火災現場=26日午後、さいたま市桜区田島9丁目

  • 【地図】さいたま市桜区

    さいたま市桜区の位置

  • 女性の遺体が見つかった火災現場=9月26日午後、さいたま市桜区田島9丁目
  • 【地図】さいたま市桜区

 さいたま市桜区の空き家で、火災の焼け跡から遺体が発見された事件で、県警は26日、遺体の身元を特定し、首を圧迫して死亡させたとして、殺人の疑いで、群馬県太田市新田村田町、大工の男(70)を再逮捕した。「金を盗むのが目的だったが、ばれてしまったので殺した」と容疑を認めているという。

 再逮捕容疑は6日午前9時10分ごろから午後6時20分ごろまでの間、さいたま市桜区田島9丁目の木造2階建ての空き家内で、所有者の無職女性(60)=群馬県太田市新田瑞木町=に対して、殺意を持って首を圧迫し、死亡させた疑い。女性の遺体は7日に見つかり、死因は窒息だった。

 捜査1課によると、2人は知人関係。現場の空き家は女性の実家で、現在は物置として使用していた。女性が男に荷物の運搬を依頼し、犯行当日の6日午前中に太田市内から、男の軽乗用車で現場まで向かったという。

 男は、女性が当時所持していた現金約100万円と女性のスマートフォンを盗んだとして、8日に窃盗の疑いで逮捕、送検されていた。県警は事件と火災の関連を慎重に調べている。

 女性の遺族は県警を通じて、「大切な家族を奪われ、深い悲しみと混乱の中にいます。今後の捜査や裁判を通して真実を明らかにしてほしい」とコメントした。

■火災通報の女性「なぜ知りたい」

 現場の住宅はさいたま市桜区の住宅街の一角にあり、火災により壁面は剥がれ落ちて規制線が張られていた。

 近隣に住む女性(83)は被害者の女性と顔見知りで、住宅は数年前に両親が亡くなり女性が相続し、月に1回訪れていたという。事件当日の9月6日の午前中、女性が男性と住宅に荷物を運び入れている姿を目撃しており、男性のみがその後、現場から立ち去ったという。

 男性が立ち去った約3時間後に火災が発生し、女性が119番した。「トラブルは聞いたことがなく、なぜ事件が起きたのか知りたい」と声を震わせた。

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