妻を乗せた車を運転し、山林斜面を転落させ殺害したとして、飯能署は9日、殺人の疑いで、東京都西東京市東町4丁目、無職の夫（73）を逮捕した。

　逮捕容疑は1月30日午後3時37分～31日午前10時26分ごろの間、妻（76）を乗せた普通乗用車を運転し飯能市小岩井の山林斜面を走らせて転落。頭部などを強打させて殺害した疑い。妻の死因は後頭部打撲による頭蓋底骨折を伴う頭蓋内損傷だった。夫は調べに「間違いありません」と容疑を認めているという。

　同署によると、現場は入間川に面した山林の斜面。夫が運転する車が砂利道から斜面に入り、入間川に進入しようとしたところ、斜面で停車した。道から10メートル以上、転落したとみられる。

　近隣店舗の従業員からの110番で救助に駆け付けた消防隊員が車内の後部座席で倒れている妻を発見。夫は骨折などの重傷で病院に搬送後に入院していたが、9日に退院し、殺人容疑で逮捕された。

　夫は発生時、自殺をほのめかす言動をしていたという。同署は事件に至った経緯を慎重に調べている。