埼玉新聞

 

毎月1度の開館日には多くのファン 森永卓郎さんが開いた私設博物館「B宝館」 “おバカ”で楽しい13万点 館内にはミニカーやフィギュア、お菓子の空き箱、飲料の空き缶などがびっしり

  • ガラスケースに「お宝」がびっしりと並ぶ館内

    ガラスケースに「お宝」がびっしりと並ぶ館内

  • 自身のコレクションを前に笑顔を見せる森永卓郎さん(2022年5月撮影、同館提供)

    自身のコレクションを前に笑顔を見せる森永卓郎さん(2022年5月撮影、同館提供)

  • 「ビートこけし」など有名人のサインが入った「駄じゃれグッズ」

    「ビートこけし」など有名人のサインが入った「駄じゃれグッズ」

  • 初期の「ダイヤ缶」や「ボトルダイヤ缶」をはじめ歴代コカ・コーラの空き缶がそろう

    初期の「ダイヤ缶」や「ボトルダイヤ缶」をはじめ歴代コカ・コーラの空き缶がそろう

  • 戦隊ヒーローのフィギュアも大集合

    戦隊ヒーローのフィギュアも大集合

  • ガラスケースに「お宝」がびっしりと並ぶ館内
  • 自身のコレクションを前に笑顔を見せる森永卓郎さん(2022年5月撮影、同館提供)
  • 「ビートこけし」など有名人のサインが入った「駄じゃれグッズ」
  • 初期の「ダイヤ缶」や「ボトルダイヤ缶」をはじめ歴代コカ・コーラの空き缶がそろう
  • 戦隊ヒーローのフィギュアも大集合

 所沢市にある「B宝館」は、今年1月に67歳で死去した経済アナリストの森永卓郎さんが2014年に開いた私設博物館。コレクターとしても知られていた森永さんが長年にわたり集めた13万点を超えるコレクションの数々が展示されている。「ビンボーでおバカだけど、ビューティフルな博物館」をキャッチフレーズに、身近な物の美しさや面白さを発信。現在は森永さんの次男(37)が2代目館長として運営を引き継ぎ、毎月1度の開館日には今も多くのファンらが訪れている。

 館内に入ると部屋中ガラスケースがびっしりと並び、その中にはミニカーをはじめ鉄道や飛行機の模型、フィギュアやお菓子のおまけなどさまざまなコレクションが整然と飾られていた。お菓子の空き箱やアイスの空き容器、飲料の空き缶、ペットボトルキャップなど、普通ならごみとして捨てられてしまうような物もきれいに並べて展示。2階にも同様にガラスケースが並び、その品数に圧倒される。

 コレクションの中心となっているのが少年時代から集めていたミニカーだ。展示されていない物も含めると、その数約3万点に上る。父親の海外赴任のためヨーロッパなどで少年時代を過ごした森永さんにとって、言葉が通じない孤独の中、ミニカーが心のよりどころだった。館内には当時手に入れた物や、「トミカ」、「マッチボックス」など国内外の製品がずらりと並ぶ。

 テレビ番組で玩具コレクターの第一人者である北原照久さんと共演したことをきっかけに、ミニカーから始まった森永さんのコレクションは多様なジャンルに広がった。コカ・コーラの空き缶は、「ダイヤ缶」と呼ばれる初期の物から、歴代のデザインがそろう。「ヤマザキ ランチパック」も、過去に販売された限定商品などの空き袋がきれいに保管されていた。

 中には「有名人のサイン入り駄じゃれグッズ」といったユニークなコレクションもある。こけしにビートたけしさんのサインが入った「ビートこけし」や、米国の俳優トム・クルーズさんのサイン入りルーズリーフ「トム・クルーズリーフ」など、思わず笑ってしまう品々。森永さんの収集活動に協力することもあったという妻の弘子さん(65)は「番組の共演者が決まると、収録までの間に駄じゃれを考えるのが大変だった」と懐かしんだ。

 2代目館長として運営を引き継いだ森永さんの次男は、「桜城蘭(おうじょうらん)」と名乗り同館の展示物に関連するコラムをホームページやSNSに掲載するなど、情報発信に力を入れている。「自分自身も紅茶飲料のパッケージを集めたり、面白いと思う感性は父と似ている所がある。父が人生をかけて集めたコレクションを、今後も多くの方に楽しんでもらえれば」と話していた。

【メモ】B宝館 所沢市けやき台2の32の5。開館日時は毎月第一土曜日の午後0時~同6時(最終入館同5時半)。入館料は大人800円、60歳以上のシニアと学生600円、小学生以下400円。詳細は同館ホームページへ。

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