埼玉新聞

 

異様…店で男児が正座、説教2時間する男、スマホで撮る母 市「何か起きないと動けない」その後、男児死亡

  • 店主が話し掛けた女。男と内縁関係。逮捕され送検される=6日午前9時ごろ、浦和西署

 本庄市で5日に住宅の床下に5歳男児の遺体を埋めたとして男児の母親ら男女3人が逮捕された事件を受け、男児らが利用していた飲食店店主が10日、取材に応じた。男児が店内で正座をしながら食事も与えられずに説教を受けている様子を目撃し、市に通報もした店主は「救えた命だった」と悔しさをにじませた。

 店主によると、昨年夏ごろから、無職の男(34)と無職の女(54)=いずれも死体遺棄容疑で逮捕=が店に通い始め、次第に男児と母親(30)=同=の4人で来るようになった。4人で最初に来店した時から、男児だけ食事を食べられずに男から説教を受けている様子だった。2回目の来店時も説教が1、2時間続くような状況が続き、「異様な光景だった」と振り返った。

 3回目の来店時は説教の様子を母親がスマートフォンで撮影しているような様子も見られた。不審に思い、会計時に女に話し掛け、4人の関係性を聞いて驚いた。男児から聞き出した保育園に連絡すると、保育園からは「声が多い方が行政も動いてくれる」と行政への通報を勧められた。昨年9月6日に市に通報したが、母親から話を聞いた市からは「これ以上は何か起きないと踏み込めず、店に来たら見守ってほしい」などと言われた。

 その後も気になり、昨年12月には男児が無事か保育園に電話で確認もしたが、4人は通報以来、店に来ることはなかったという。店主は「こういう事件はこれで最後にしてほしいし、社会全体で守っていかなくてはいけない」と話していた。

ツイート シェア シェア