埼玉新聞

 

<新型コロナ>死者、重症者はピーク過ぎてから増える…埼玉・大野知事が認識示す「これからが正念場」

  • 大野元裕知事

 大野元裕知事は18日、県庁内で記者団の取材に応じ、新型コロナウイルスの県内における現在の感染動向について「新規陽性者数のペースは落ちてきた」としながら、「ピークを仮に過ぎたとしても新規陽性者数が大きく下がる状況にない。死者、重症者はピークを過ぎてから増えてくる」と医療機関への負担が今後も続く状況にあるとの認識を示した。その上で、3月6日までが期限となっているまん延防止等重点措置などについて触れ、「解除する状況にはないが、緊急事態宣言に至るもの(状況)でもない」と述べた。

 大野知事は同日、堀内詔子ワクチン接種推進担当相からの求めに応じ、オンラインで意見交換した。堀内氏からは3回目の追加接種について、1日100万回の政府目標達成に向けて協力を要請された。3回目接種率は国の12・6%(18日時点)に対し、県内は12・2%(17日時点)。大野知事は「国と地方が団結して取り組むことで、一日も早く、希望する方々への追加接種を進めなければならない」とし、政府に対し、11歳以下への接種分も含めた今後の確実なワクチン供給や、より丁寧な情報発信を求めた。

 県内では今月5日に過去最多の7353人の新規感染者を確認し、これ以降も高止まりの状況で推移している。新規感染者の増加に伴い、県内医療機関への負担も増えており、17日時点の県内確保病床使用率は61・0%(1338人/2194床)、うち重症病床は25・1%(62人/247床)と依然として増加傾向にある。

 一方、1人が何人に感染を広げるかを示す実効再生産数は7日の1・27から17日時点は0・91となり、感染者増は一定の落ち着きを見せている。大野知事は「医療機関への負担が下がっていない。これからが正念場。引き続き緊張感を持った対応が必要」と引き締めた。

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