社会福祉法人 絆友会 × のぞみ保育園第2回 不適切保育防止・メンタルヘルス研修を実施

社会福祉法人絆友会
前回の記事をきっかけに外部の保育関係者も参加。保育環境の見直しと“脳の休息”をテーマに、対話を重視した研修を開催

社会福祉法人 絆友会は、2026年6月4日(木)、東京都東大和市にあるのぞみ保育園にて、「第2回 不適切保育防止・メンタルヘルス研修」の講師を務めました。
前回に引き続き、のぞみ保育園の職員の皆さまに加え、地域の保育関係者にもご参加いただきました。
また、前回の研修記事をご覧になり、今回新たに外部から参加してくださった方もいらっしゃいました。園内研修にとどまらず、地域の保育関係者が園の枠を越えて学び合う機会として、少しずつ広がりを見せています。
今回は、講義を聞くだけでなく、グループでのディスカッションや意見交換の時間を多く取り入れた研修となりました。外部から参加された方ものぞみ保育園の先生方と同じグループに入り、日々の保育について率直に語り合いました。研修の冒頭では、ちょっとしたアイスブレークも行われ、初めは緊張した様子の参加者も、次第に笑顔で意見を交わす姿が見られました。
講師を務めた新城先生のユーモアあふれる講義は、会場の空気を和らげ、参加者の皆さまを自然と笑顔にしていました。真剣に学びながらも、温かく前向きな雰囲気に包まれた研修となりました。

アイスブレークでは、その場にあるものを積んでいくゲームを実施

グループで話し合い、協力し合って、高さを競いました

先生たちは、研修冒頭から大盛り上がりでした


のぞみ保育園について

東京都東大和市にあるのぞみ保育園は、昭和49年5月に「テマリ保育園」として開設され、長きにわたり地域の子どもたちの成長を見守り続けてきました。
平成27年2月には「のぞみ保育園」へと名称を改め、同年4月には分園「クローバー」も開設。50年を超える歴史の中で、多くの子どもたち、家庭、地域とともに歩み続けてきた保育園です。
「共存・共育・共栄」を理念に、子どもたち一人ひとりの個性を認め合い、安心して成長できる環境を大切にしています。異年齢児保育やさまざまな体験活動、季節感のある手作り給食、専門講師による活動などを通して、子どもたちの心身の健やかな発達を支えています。
また、のぞみ保育園では、日々の保育の質をさらに高めていくために、「不適切保育防止・メンタルヘルス研修」にも積極的に参加しています。子どもたちの人権を尊重した関わりや、安心・安全な保育環境づくりについて学びを深めるとともに、保育者自身の心の健康にも目を向けながら、職員一人ひとりが安心して働き続けられる職場づくりにも取り組んでいます。
こうした学びを継続することで、子どもたちにとって安心できる場所であることはもちろん、保護者の皆さまにとって信頼して預けられる園、そして保育者にとっても前向きに成長しながら働ける園を目指しています。


研修概要
第2回となる今回は、「質の高い保育環境と脳の休息戦略」をテーマに、不適切保育防止とメンタルヘルスの両面から学びを深めました。
不適切保育防止のパートでは、「環境・生活習慣」に焦点を当てました。子どもへの声かけや関わり方だけでなく、保育室のレイアウトや動線、片付けやすさ、死角の有無など、日々の保育環境そのものが、子どもと保育者の安心・安全に深く関わっていることを共有しました。
研修では、環境を「第3の保育者」と捉え、子どもを叱る回数を減らすためには、言葉による注意だけではなく、子どもが自然と落ち着いて過ごせる環境づくりが大切であることが伝えられました。
たとえば、見えにくい場所が多い保育室では、保育者の不安や焦りが増えやすくなります。また、通路が狭かったり、片付けにくい構造であったりすると、子ども同士のトラブルや保育者のストレスにつながることがあります。こうした物理的な要因を見直すことは、子どもを守るだけでなく、先生方自身を守ることにもつながります。
「叱らなくて済む仕掛け」を考える
今回の研修では、「走らないで!」と繰り返し声をかける前に、なぜ子どもが走ってしまうのかを環境面から考える視点も取り上げられました。
子どもが走りやすい動線になっていないか、遊びのスペースと移動のスペースが混ざっていないか、活動の選択肢が少なくなっていないかなど、日々の保育を具体的に振り返りました。
大切なのは、子どもを言葉でコントロールすることではなく、子どもが無理なく過ごせるように、保育者が環境を整えることです。家具の配置を少し変える、遊びのコーナーを分ける、落ち着ける場所をつくるといった小さな工夫が、子どもの安心感や保育者の心の余裕につながることを学びました。
また、食事・排泄・午睡といった生活場面についても、子どもの生理的欲求や尊厳を尊重する関わり方を確認しました。
食事では、「完食」を絶対のゴールにするのではなく、子ども一人ひとりのペースを尊重すること。排泄では、失敗を責めたり、他の子どもの前で恥ずかしい思いをさせたりしないこと。午睡では、眠ることを無理に強制するのではなく、「身体を休める時間」として個別に配慮することの大切さが共有されました。

今回の研修は、ディスカッションを中心に行われ、グループ内では様々な意見が出ていました


グループワークで保育室のヒヤリハットについて意見交換
今回の研修では、ディスカッションの時間が多く設けられました。
特に印象的だったのは、保育室の「ヒヤリハット・マップ」をテーマにしたグループでの話し合いです。参加者はグループに分かれ、自分たちの保育室を思い浮かべながら、死角になりやすい場所、トラブルが起こりやすい場所、子ども同士の接触が増えやすい場所などについて意見を出し合いました。
そのうえで、「なぜその場所でトラブルが起きやすいのか」「どのように環境を変えれば予防につながるのか」を、それぞれの現場での経験を交えながら話し合いました。
のぞみ保育園の先生方と外部から参加された方が同じグループに入り意見交換を行ったことで、園や現場ごとの工夫、日々の保育の中で感じている課題などが共有されました。自園だけでは気づきにくい視点に触れる機会にもなり、参加者同士が互いの実践から学び合う時間となりました。
限られた時間の中ではありましたが、保育室の環境を見直すきっかけとなる、園の枠を越えた学び合いの時間となりました。

メンタルヘルス研修
脳の休息と完璧主義について学ぶ
後半のメンタルヘルス研修では、「脳の休息と完璧主義」をテーマに、保育者自身の心と身体を守るためのセルフケアについて学びました。
保育士の仕事は、子どもの安全確認、保護者対応、職員同士の連携、記録、行事準備など、常に複数のことを同時に考えながら進める場面が多くあります。そのため、身体を休めたつもりでも、頭の中では仕事のことを考え続けてしまい、疲れが取れにくいことがあります。
研修では、このような状態を「脳が休めていない状態」として捉え、意識的に仕事の思考を止めることの大切さが伝えられました。
また、筋弛緩法の実践も行われました。身体に力を入れたあと、一気に力を抜くことで、脳に「リラックスした状態」を覚えさせていく方法です。忙しい保育現場では、まとまった休憩時間を確保することが難しい場面もありますが、トイレに立った1分間など、短い時間でも深呼吸や脱力を取り入れることで、脳をリセットするきっかけになることを学びました。


音楽をかけながら、みんなで深呼吸をしてリラックス方法を実践しました


「60点でいい」と思えることが、明日の保育を支える
メンタルヘルスのパートでは、完璧主義についても取り上げられました。
「事故は絶対に起こしてはいけない」「行事は必ず成功させなければならない」「子どもにも保護者にも、常に完璧に対応しなければならない」――そうした思いは、保育者としての責任感から生まれるものです。
しかし、完璧を求め続けるあまり、先生自身の表情が険しくなったり、子どもにも過度な緊張が伝わったりすることがあります。
研修では、「先生の『ま、いっか!』が子どもを救う」という考え方も紹介されました。先生が失敗を笑える姿を見せることは、子どもにとっても「失敗しても大丈夫」「もう一度やってみよう」と思える安心につながります。
また、「今日、子どもが無事に親元へ帰った。それだけで100点満点」と自分を認める視点も共有されました。毎日を全力で走り続けるのではなく、時には60点でもよしとすること。その余白が、保育者が長く、健やかに働き続けるための力になります。
当日の様子
当日は、講師の新城先生の明るくユーモアのある語り口に、会場から何度も笑顔がこぼれました。
真剣なテーマを扱いながらも、重苦しい雰囲気ではなく、「自分たちの保育をよりよくしていこう」「明日から少し試してみよう」と思える前向きな時間となりました。
グループでの話し合いでは、外部から参加された方ものぞみ保育園の先生方と自然に打ち解け、保育室の環境、子どもへの声かけ、生活場面での関わり、先生自身の休息の取り方などについて、活発に意見を交わしていました。
アイスブレークを通して緊張がほぐれたこともあり、研修後半には、初対面の参加者同士でも笑顔で話し合う姿が多く見られました。
今回の研修は、保育の質を高めるための学びであると同時に、保育者同士が支え合い、孤立せずに働き続けるための場にもなりました。

日々の保育ではなかなか確保できない意見交換の時間。参加者同士が学びや気付きを共有する有意義な場となっていました

講師コメント(新城先生)
今回の研修では、のぞみ保育園の先生方に加え、地域から参加された皆さまと一緒に、不適切保育防止研修とメンタルヘルス研修の両面から学びを深める貴重な時間となりました。冒頭のアイスブレークでは、地域の繋がりや日頃からの園内のチームワークを想起させるような笑顔が広がり、その後のディスカッションでも率直な意見交換が自然に生まれていたことがとても印象的でした。
特に、園内で注意が増える箇所についてのディスカッションでは、園の枠を越えて多様な視点が交わり、「自園では気づけなかった工夫」や「実践から学べるヒント」が次々と共有されていたのではないでしょうか。研修内容のインプットだけではなく、時にはアウトプットも交えることでより学びを楽しく盛り上げてくれていました。
後半のメンタルヘルス研修では、皆さまが真剣に自分自身の心の状態と向き合いながらも、ユーモアを交えた雰囲気の中で前向きに参加されていたことが印象的でした。「60点でいい」という言葉を受け止める表情が少しずつ柔らかくなっていく様子に、明日からの保育を支える力が育まれていることを感じました。
園内だけでなく地域へと学びが広がり、互いに支え合う輪が少しずつ大きくなっていることを嬉しく思います。次回の研修でも、皆さまと一緒にさらに深い学びを積み重ねていけることを楽しみにしています。

今後の開催予定
のぞみ保育園主催の本研修は、今後も継続して開催予定です。
第3回は2026年9月10日(木)、第4回は2026年11月6日(金)に実施予定で、時間はいずれも13時30分から15時までです。
近隣の園にお勤めの保育士の方も参加可能です。保育現場での学びを深めたい方、不適切保育の未然防止やメンタルヘルスについて関心のある方は、ぜひご参加ください。

研修に関してのご相談
社会福祉法人 絆友会では、保育現場の実情に寄り添いながら、不適切保育の未然防止や、職員のメンタルヘルスに配慮した研修を実施しています。
子どもたちが安心して過ごせる保育環境づくりと、保育者一人ひとりが安心して働き続けられる職場環境づくりを支援するため、今後も地域の保育施設と連携しながら、学びの機会を提供してまいります。
本研修以外にも、保育現場に関するさまざまなテーマでの研修を実施しております。ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

社会福祉法人絆友会・一般社団法人絆友会
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