2021年6月26日(土 )

給食準備中に転倒、高温みそ汁でやけど…当時小5の生徒に297万円 地裁、埼玉・加須市に賠償命令

さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

 加須市の男子中学生が市立騎西小5年生だった2017年6月、高温のみそ汁が入った食缶を運搬中に転倒して脚にやけどを負ったのは学校側が安全配慮を怠ったのが原因として、市を相手取り慰謝料など約792万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、さいたま地裁で開かれ、斎藤清文裁判長(代読・沖中康人裁判長)は市に約297万円の支払いを命じた。

 判決理由で斎藤裁判長は、給食当番として2人一組で運ぶルールになっていた約10キロの食缶を、相手の生徒が委員会活動で呼び出されたため1人で運んだ点について「(男子生徒に)落ち度はなく、過失相殺の対象ではない」と生徒側の責任は認められないと説明。食缶を1人で運んだ結果、約90度の高温のみそ汁を脚にこぼして全治6カ月のやけどを負い、合わせて手のひら4倍以上の痕が残っていて、後遺障害等級では「12級(労働能力喪失率14%)に相当する」と、同14級を主張した市側の訴えを退けた。

 判決後、取材に応じた男子生徒の父親(52)は「判決は妥当だと思っている。市側の過失が認められて、安堵(あんど)している」と語った。父親は事故後から市教育委員会からの正式な謝罪がないことに加え、再三の詳細調査の求めに応じないなど、改めて市側の対応を問題視した。

 加須市学校教育課は「判決文が届いていておらず、確認できないので、現段階ではコメントを控えるが、判決文が届いたら誠意を持って対応したい」と述べ、詳細調査を行わなかった理由については「事故直後から調査していて、事実確認ができたことと再発防止策を講じた」と話した。

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