埼玉新聞

 

何が分かるんだ!詐欺犯が根負け、電話切る 詐欺見抜いた蕨のファミマ店長が挑発、被害防ぎ2度目の感謝状

  • 石毛和浩署長から感謝状を受け取り笑顔を見せる荒谷卓さん(右)=蕨署

 犯人と電話で直接話し、特殊詐欺被害を未然に防いだとして、蕨署は、ファミリーマート蕨南町4丁目店の店長、荒谷卓さん(38)に感謝状を贈呈した。

 荒谷さんは今月4日午後、来店した男性(69)が携帯電話で電子マネーを購入する旨の会話をしていたため、特殊詐欺を見抜き、男性と電話を代わり、20代前半と思われる犯人の男と直接話した。わざと挑発する言葉を掛けた結果、根負けした男は「お前に何が分かるんだ!」と捨てぜりふを吐き、電話を切ったという。犯人と話をしたのは初めてという荒谷さんの冷静な対応が光り、男性は30万円分の電子マネーを購入せずに済んだ。

 感謝状をもらうのは2度目で、高齢者への声掛けなどで昨年は10件ほど被害を未然に防いだという荒谷さんは「心当たりがなかったら払わない意識を持ってほしい」と呼び掛け、「今後も見つけ次第、バシバシ止めていきたい」と拳を握った。蕨署の石毛和浩署長は「本当にありがたい。協力に感謝しかない」と笑顔で功労をたたえた。

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