埼玉新聞

 

物騒だな…アパートで女性殺害、犯人逃走中 付近住民に蘇る「6人殺害事件」の記憶 顔しかめ「また事件」

  • 現場のアパートに入る捜査員ら=7日午前10時50分ごろ、熊谷市見晴町

 6日午後0時2分ごろ、熊谷市見晴町のアパート一室で、男性(29)から「知人の女性が布団の上で冷たくなっている」と110番があった。駆け付けた警察官が室内で女性の遺体を発見。死亡したのは、この部屋に住む職業不詳の女性(27)と確認された。

 県警は7日、遺体の状況や解剖などから殺人事件と断定し、熊谷署に80人態勢の捜査本部を設置。女性が殺害された経緯を調べる。

 現場は上熊谷駅から北西に約600メートルの閑静な住宅街の一角。7日午前10時過ぎに、アパート前の道に規制線が張られ現場検証が始まった。近所の70代女性によると、6日正午すぎに消防車が到着した。

 現場アパート2階に住む男性(77)は、今年春ぐらいに被害者とみられる女性と一度だけ顔を合わせたことがあるという。その際は水道修理があり、業者から聞いた蛇口栓の開け方について、「こうすればいいんだよ」と、廊下で不安そうにしていた女性に教えてあげたという。「細面でおとなしい感じだった」と印象を語る。

 アパートは、2015年の熊谷6人殺害事件で夫婦が殺害された現場から約200メートル。40年以上住んでいる近所の60代女性は「戸締まりをしっかりしてください」という市の防災メールで事件を知った。「また事件なのかな」と顔をしかめた。

 市の防災メールを見て来たという隣地区に住む男性会社員(58)は「この辺の人は(事件に)不安を持っている人は多い。心の傷が癒えていない人も多いと思う」と心配げな表情。近所の60代男性も「物騒だな」とつぶやいた。

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