埼玉新聞

 

<新型コロナ>自宅療養の男性死亡…ミスで健康観察なし 3回だけ自動電話に男性反応…確認できたのは死後

  • 新型コロナ50代男性、自宅で死亡

 埼玉県は6日、新型コロナウイルスに感染し自宅療養中だった50代の男性が、8月下旬に自宅で死亡したと発表した。男性は8月18日に感染が判明したが、翌日に健康調査を行って以来、健康観察などの対応が行われなかった。20日から健康観察を移管されていた県春日部保健所は「事務処理のミスがあった」としている。

 春日部保健所によると、男性は住民票の住所がさいたま市だったため、19日に春日部保健所からさいたま市保健所に健康調査、観察を移管したが、さいたま市の調査で現居住地が春日部保健所管内と分かり、同保健所に戻された。その際、春日部保健所内で印刷した発生届をコピーし忘れたたため、カルテが作成されず、健康観察などが行われなかった。通常は患者一覧やカルテ、健康調査の3点で漏れがないかチェックするが、当時は感染者の急増で業務が逼迫(ひっぱく)し、カルテのみでチェックしていたという。男性からは自動音声電話に3回入力があったが、保健所が確認したのは死亡後だった。

 9月3日に男性の知人から「連絡が取れない」と連絡があり、自宅で死亡しているのが見つかった。死後数日が経過し、死亡日や死因は分かっていないという。春日部保健所は「二度とこのようなことが起きないよう、対策を行う」と話した。

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