埼玉新聞

 

甘味強い大玉、みずみずしい果肉が特徴 需要も高まるブランドナシ・彩玉、埼玉の久喜で収穫期迎える

  • 収穫したナシとその加工品を紹介する渡辺さん(左)と矢野さん

 県内有数のナシの産地となっている久喜市で、近年人気を増してきているブランドナシ・彩玉(さいぎょく)が収穫期を迎えている。大玉で甘味が強い品種の栽培を、若いナシ農家が積極的に進める例も出てきている。後継者不足に苦心するナシ園の希望になればと、関係者は期待を寄せている。

 彩玉は2005(平成17)年にデビューした新品種。13~14度という高い糖度や1玉550グラムの大きさ、果肉のみずみずしさが特徴だが、葉が大きく数も多いため、色や味のムラの原因となる日焼けができにくい、害虫がつきにくいといった栽培面での長所もある。

 就農7年目の渡辺雅弘さん(30)も、彩玉栽培者の一人。最初は1反=10アール(16本)を植えていたが、高まる需要を受けて今年からは2反に拡大、家族総出で収穫作業に精を出す。「一番いい時のナシを新鮮なうちに届けたいので、朝5時から何度も畑を見回っています」と笑顔で話す。

 渡辺さんは廃園になる農家から畑を借りて、久喜のナシ農業自体に貢献したいとも考えている。彩玉栽培を初期から行っている矢野学さん(48)も「若い後継者も出てきたので自分も頑張りたい」と、活力をもらっている。彩玉人気をきっかけに、ナシ栽培に興味を持つ人が出てくればと生産者たちは願っている。

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