埼玉新聞

 

<新型コロナ>自宅療養者に食品を無償提供、狭山市が独自支援 「陰圧」の車で送迎、酸素濃縮器も届ける

  • 自宅療養者へ届けられる1日分の食品。手前に三つ並んでいるのはパルスオキシメーター=狭山市保健センター

 狭山市は新型コロナウイルス感染症により自宅療養を余儀なくされる市民が急増する中、保健所の対応が追い付かない状況があるとして食品やパルスオキシメーターの配布など、市独自の支援策を今月半ばから実施している。

 市では保健所から自宅療養を指示された患者について、食品の備蓄などがなく生活に支障が出ると申請があった市民に向けて2~3日分の食品を無償提供している。また自宅療養者へ保健所から配布されるパルスオキシメーターについても患者が急増していることから業務がひっ迫し、日中に配布できず深夜に及ぶ状況があることから、市で200個を確保し市民へ配布を行う。酸素濃縮器については、医療機関から必要であると診断された自宅療養者へ届けられるように市で5台確保している。

 さらに医療機関でPCR検査を受検した結果、陽性となったが入院できず、自宅療養が必要となった患者の帰宅支援も今月下旬から実施する予定。これまでは帰宅時に公共交通機関を利用できず、家族による送迎も困難な場合、保健所職員が送迎を行っていたが、今後は市が調達した陰圧パネルを設置した車両を活用する。

 小谷野剛市長は「感染者が急増する状況の中、保健所の業務もひっ迫している。市民の命を具体的にどう守って行くかが自治体には求められている。今後は圏域の自治体が同じような歩調を取っていくことも必要となる。一人でも多くの市民の命を守るべく市としても全力で取り組んでいく」と話している。

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