埼玉新聞

 

強烈パンチ!K1挑戦する小倉尚也さん、兄きっかけで格闘家に 久喜出身 亡き母との約束、果たす時がきた

  • ベルト奪取に向け闘志を燃やす小倉尚也さん

 久喜市伊坂の小倉尚也(たかや)さん(27)は、キックボクシングでプロの格闘家として活躍、21日から都内後楽園ホールで始まる「K1 クラッシュ スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」に挑む。これまで戦績は26戦16勝(8KO)8敗2分け。現在3連勝中。タフで強烈なパンチが持ち味で心技体そろった選手として評価が高く大会でのベルト奪取への期待が高まる。対戦相手に若手が多い中「子どもたちに夢を与えたい」と抱負を語った。

 3人兄弟の末っ子。地元栗橋小、栗橋東中出身、野球に打ち込んでいたが高校で引退。そんな時、兄に連れられ後楽園ホールで見たキックボクシングに魅了された。「生で見て格好良かった。ひと目見てハマった」

 都内のジムに所属。プロ選手の練習に混ざり、「鼻血を出し、足を引きずりながらの毎日を過ごした」。小柄ながら、持ち前の身体能力の高さとセンスの良さに加え、努力を重ね、1年後にはアマチュアの大会で準優勝するまでに成長。プロに転向した。

 高校卒業後の挑戦。多くの同級生は社会人に。デビューが遅く、周りの選手は若手が多い。小倉選手は「普通の人生を送ると思っていた。そんなときに夢をもらった。目標があるのとないのとでは全然違う。結果が伴えば30代でもできる。今度は夢を与える立場になる」と気を吐く。

 現在は父と2人暮らし。栗橋の自宅から都内のジムに電車で通い、トレーニングに励んでいる。昨年10月、母ゆき子さんが急逝。亡くなる直前、病床で母に「ベルトを取る」と約束。「レベルの高いトーナメントだがベルトを取りたい。決勝は10月。母の一周忌に約束を果たしたい」と闘志を燃やしている。

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