埼玉新聞

 

ビーガン料理レシピも豊富 埼玉・川口出身のルーマニア料理研究家が本を出版 欧州の京料理です!

  • 「おいしくて健康にも良いルーマニア料理を広めたい」と話すスクタリウともこさん

 東欧の国「ルーマニア」と聞いて、日本人がイメージするのはドラキュラ伝説と体操のコマネチ選手ぐらいだろうか。そんなルーマニアの断食期に食べる肉断食料理「ムンカーレ・デ・ポスト」を紹介するとともに、多くの日本人にルーマニアの魅力を知ってもらおうと、川口市(旧鳩ケ谷市)出身で、ルーマニア料理研究家のスクタリウともこさん(47)=東京都練馬区=が料理本「ルーマニアクッキング~ヴィーガンデトックスレシピ45~」(セルバ出版、税込み1760円)を出版した。

 日本で調達できる野菜を中心にした45種類のビーガン料理レシピを写真付きで解説しており、“欧州の京料理”と呼ばれるルーマニア料理が健康志向の日本の食卓に広がりそうだ。

 スクタリウさんは大学卒業後、自動車メーカーに就職した。7年後に児童英語講師を目指してカナダに3年間留学。いったん帰国した後、ニュージーランドで語学学校のスタッフとして再び渡航し、現地で知り合ったルーマニア人男性と結婚。同国に転居し、2010年に家族とともに帰国した。

 ルーマニアで生活した際、春から冬にかけて年4回行われる断食で調理される「ポスト食」のおいしさに魅了され、元料理人だった夫の叔母に調理方法を教わった。「日本にある材料で簡単に作れ、ダイエットにも効果がある。日本の人に知ってほしいと思ったんです」とスクタリウさん。

 「ルーマニアクッキング」はA5判、152ページ。第1章では「ルーマニアと私の出会い」と題して、ポスト料理との出会いやルーマニアの魅力、第4章では「ルーマニア人の食生活&伝統行事」と題して、発酵食品を取り入れ、クリスマスや洗礼式などの伝統行事を紹介している。

 第2章と第3章で、スープやシチューをはじめピラフやサラダ、デザートなど45種類のポスト料理のレシピを紹介。中でも肉の代わりに米やクルミを入れたルーマニア式ロールキャベツ「サルマーレ」やルーマニア式野菜の酸味のあるスープ「チョルバ・デ・レグメ」などはお薦めという。

 帰国後、子ども2人を育てる一方、都内でルーマニア料理教室、自宅で英語教室を定期的に開いているスクタリウさんは、ルーマニアや同国の料理についてこう話す。

 「ルーマニアには中世ヨーロッパの古いものが残され、ルーマニア人は素朴で明るい人が多い。野菜の味を生かしたあっさりした料理は日本人の口に合っており、こうした魅力を通して、ルーマニアを知り、好きになってくれればうれしい」。

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