埼玉新聞

 

東京五輪の中止訴え、市民団体が聖火リレー出発セレモニーの公園で 参加の医師「正気の沙汰ではない」

  • 聖火台1号機の前で、東京五輪中止を訴える横断幕を掲げる市民団体のメンバー=6日午前8時半ごろ、川口市の青木町公園

 東京五輪開催は新型コロナウイルスのさらなる感染拡大を招くとして、市民団体「オリンピックをやめて、県民のいのちをまもる埼玉の会」は6日、県内聖火リレーの出発セレモニーが開催された川口市の青木町公園内で五輪中止を訴える抗議活動を行った。

 活動に参加したのは、同団体の共同代表で「表現の自由を市民の手に全国ネットワーク」の共同代表を務める武内暁さん(73)ら6人。ランナーと聖火の記念撮影や隊列車両の送り出しなどが実施される中、横断幕やボードを掲げながら「オリンピックは今やる時ではない」「楽しめる時にやりましょう」「コロナを拡大するオリンピックに反対」などと呼び掛けた。

 武内代表は「(世論調査などで)開催に疑問を持っている人が6~7割いる中で強行しようとしている。誰にでも喜ばれる五輪ではない。反対の声があることを届けたい」と拳を握った。同じく共同代表で埼玉協同病院(川口市)に勤務する辻忠男医師(72)も「医者の立場からコロナ禍での開催強行は正気の沙汰ではない。今は五輪を楽しむ時ではない。行政も力を出し、みんなで助け合って、コロナの中を生き延びることをまずは優先すべき」と主張した。

 同団体は6月に大野元裕知事と清水勇人さいたま市長に「県や市の医療現場に対する考え」「コロナから県民、市民を守るための知事、市長としての判断」などを求めて、それぞれ公開質問状を提出していた。聖火リレー最終日の8日にはゴール地点となる、さいたま新都心公園で50人規模の抗議活動を予定しているという。

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