埼玉新聞

 

川越署の巡査を逮捕 「遺体搬出に費用かかる」病死男性の遺族にうその電話、現金だまし取ろうとした疑い

  • 川越署=川越市大仙波

 病死した川越市の無職男性=当時(67)=の遺族から部屋の清掃や遺体搬出に費用がかかると偽って現金をだまし取ろうとしたとして、県警捜査2課と川越署は4日、川越署刑事課強行犯係巡査(25)=川越市中台元町=を逮捕した。巡査は遺族と電話で金銭の話をしたことは認めているが、だまし取ろうとしたことについてはあいまいな供述をしているという。

 逮捕容疑は3月27~31日、男性の姉で北海道東部に住む無職女性(69)に対し、「部屋の清掃でお金がかかる」「消防車やレッカー車が来たので40~50万円かかる」「私が預かってもいい」などとうその電話をかけ、現金をだまし取ろうとした疑い。

 同課によると、2月25日、男性が住むアパートの管理会社から安否確認の連絡があり、巡査ら川越署の警察官6人が駆け付け、室内で男性の遺体を発見。巡査は男性の死因などを調べる検視を行った。その後、女性が3月26日に遺体を引き取った際に電話番号を交換。翌日から複数回、私用の携帯電話で連絡を取っていた。

 不審に思った女性が川越市内の葬儀会社に相談。葬儀会社から今月2日、川越署に連絡があり、犯行が発覚した。警察が遺族から清掃や遺体搬出の費用を請求することはないという。

 巡査は2016年4月に警察官を拝命。同年9月から川越署に勤務し、18年9月から刑事課強行犯係を担当していた。勤務態度に問題はなかったという。

 県警の近藤勝彦首席監察官は事件を受けて、「警察官としてあるまじき行為で、職員が逮捕されたことは大変遺憾。捜査結果を踏まえ、厳正に対処する」とのコメントを出した。

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