埼玉新聞

 

ファミマ店員、詐欺犯と直接会話…だまされた客を守るため 電話中の客に「代わってください」→詐欺阻止

  • 家宝にしたいと表彰を喜ぶ須藤千尋さん(中央左)と祐川美奈子さん

 杉戸署は、電子マネーを使った特殊詐欺被害を未然に防止したとして、ファミリーマート杉戸高野台南店のアルバイト店員、須藤千尋さん(40)と祐川美奈子さん(45)に感謝状を贈った。

 同署などによると、今月18日、同店で電話をしながら電子マネーを購入しようとした70代男性がいたため、確認したところ「パソコン画面にウイルス警告が表示され、コンビニで電子マネーを買うよう指示された」と答えた。不審に思った祐川さんが男性と電話を交代したところ、片言の日本語を話す男が対応したので、特殊詐欺を疑い同署に通報した。

 2人は、1週間ほど前に同署から配布された電子マネーを使った詐欺への注意喚起を促す「声掛けボード」を受け取っていたこともあり、意識して注意していたという。感謝状を受け取った祐川さんは、「年配の利用者が多いので、こういうことがないよう注意しつつ地域貢献していきたい」と語り、竹内浩署長は、「被害者から巻き上げた収益で犯罪者は活動しているので、1円たりとも渡したくない。被害防止に感謝をしています」と謝辞を述べた。

 同署管内の特殊詐欺被害は26日現在、2件601万円。昨年は同時期で、9件1068万円の被害が発生していた。軽部智広生活安全課長は「コンビニや金融機関などへの啓発活動が浸透し、警察への連絡をためらわなくなってきたことで、水際対策が功を奏してきている」と話している。

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