埼玉新聞

 

ファミマ店員に称賛 電話する客に「切ってください」…直感で声掛け、詐欺阻止 強盗が入った日からの思い

  • 丹下浩之署長(左)から感謝状を授与された上野一男さん=11日午後、川口署

 特殊詐欺被害を未然に防いだとして、川口署は11日、「ファミリーマート上野芝店」オーナーの上野一男さん(70)に感謝状を贈った。

 同署などによると4月21日、来店した70代女性が15万円分の電子マネーを購入した。不審に思った女性店員が上野さんに相談。電話をしながら再び来店し、15万円分を追加で買おうとした女性に対し、上野さんは電話を切らせて、110番するように促した。女性は電話口で「インターネット料金の未納。このまま放っておくと裁判になる」などと言われたという。

 最初の15万円分も犯人側に番号を教えていなかったため返金できた。結果的に29万9600円の被害を防ぎ「被害が全くなかったことは良かった」と上野さん。5年前に、同店に強盗が入った際は川口署が犯人を逮捕してくれたそうで、「いつか警察に協力できないかと思っていた」と笑顔を見せた。

 同署の丹下浩之署長は「未然に防止してくれて助かります」と功労をたたえるとともに、「おかしいと思ったら110番してほしい」と引き続き、詐欺被害の未然防止を呼び掛けた。

ツイート シェア シェア