埼玉新聞

 

<新型コロナ>埼玉の確保病床の使用率、国のステージ4相当に近づく 大野知事「重症者増には準備すべき」

  • 感染症の専門家が出席し、オンラインを交えて行われた県新型感染症専門家会議=13日午後、県庁

 県は13日、新型コロナウイルス感染症の専門家会議を開き、大型連休後も県内で急激な新規感染者数の上昇が見られないことなどから、直ちに緊急事態宣言を政府に要請する状況にないことなどを確認した。大野元裕知事は会議後、記者団に「急激に重症者が増える際には遅れることなく介入できるよう、県として準備すべき」と引き続き、状況を注視する必要があるとした。

 県内では5月3~9日の1週間の新規陽性者を対象に行った変異株PCR検査では、速報値で70・1%が変異株陽性と確認されるなど、変異株への置き換わりが報告されている。また、12日時点の県内確保病床の使用率は47・7%(746人/1653床)と、国の判断指標でステージ3相当を超え、ステージ4相当(50%以上)に近づいている。

 会議では、病床占有率が高くなった場合に患者の状況に応じて入院基準を検討すること、宿泊療養で診療・検査医療機関に委託し、電話やオンラインで診察、薬の処方ができるような体制を検討することについても確認された。

 会議に出席した県医師会の金井忠男会長からは、高齢者のワクチン接種で個別接種に重点を置くことで、7月中の接種完了を目指した協議が県との間で進められていることも明らかにされた。

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