埼玉新聞

 

<新型コロナ>GWに20万人訪れる秩父ミューズパークが感染対策 31万人訪れる羊山公園「芝桜の丘」も

  • マスク着用と園内飲食禁止の看板を設置する職員=25日午前11時ごろ、秩父市と小鹿野町にまたがる「秩父ミューズパーク」

 コロナ禍で迎える2度目のゴールデンウイーク(GW)。県は人出増加と感染拡大を懸念し、28日から来月11日まで「まん延防止等重点措置」を拡大し、県内15市町で適用する。同措置の対象区域外にある秩父市と小鹿野町にまたがる「秩父ミューズパーク」はGW期間中、園内での飲食禁止など感染防止対策を一層強化して利用者を迎え入れる。施設関係者は「全ての方が飛沫(ひまつ)感染防止を徹底し、ルールを守りながら園内施設を楽しんでほしい」と利用者に呼び掛けている。

 秩父ミューズパーク管理事務所などによると、毎年5月、同園には県内外から20万人近い利用者が訪れる。県内で緊急事態宣言が発令された昨年5月は、駐車場を閉鎖し、屋内施設を休業したため、利用者は徒歩で来園した約2500人のみだった。

 同事務所の山越正士所長(52)は「昨年は全体が自粛ムードだったため、利用者を受け入れる体制が取れなかった。今回も積極的に来場を呼び掛けることはできないが、自然豊かな環境で、コロナ疲れを解消したいと思って来園する方たちには、きちんとした体制で迎え入れたい」と話す。

 今年のGWは、駐車場を開放し、汽車型の移動遊戯施設「スカイトレイン」、サイクリング貸し出し、キッズ遊具、テニス場、コテージなど、昨年休業した施設は平常通り営業する。定員600人の園内音楽ホール「音楽堂」は、入館者数を定員の半数以下に制限して貸し出す。

 同園は、緑に囲まれた約375ヘクタールの広大な敷地で、スポーツ、音楽、文化を楽しめる県内屈指のレジャースポット。「園内の全ての方がソーシャルディスタンスを保ち、対策を徹底すれば、感染拡大のリスクは少なくなる」と山越所長。

 園内ではマスク着用や手洗い徹底、運動は少人数、などの注意喚起を、看板や園内放送、職員によるパトロールで利用者に呼び掛ける。また、東京都での緊急事態宣言、県内一部区域でのまん延防止等重点措置の適用を受けて、「家族以外での飲食禁止(水分補給は除く。酒類の持ち込みは厳禁)」のルールを新たに加えた。

 山越所長によると、5月上旬は、展望台付近の雑木林に群生するシャクナゲが見頃を迎え、赤やピンク、白と、色鮮やかな花々の絶景が堪能できるという。「飛沫感染防止を心掛けながら、充実した園内施設を楽しんでほしい」と利用者に呼び掛けている。

 秩父市が管理する羊山公園の「芝桜の丘」(同市大宮)も、検温やマスクの徹底、園内飲食禁止などの感染防止対策を講じながらGW期間中、観光客を迎え入れる。

 市都市計画課によると、昨年は緊急事態宣言を受けて休園したが、2019年のGW期間は約31万人の来場があった。同課の宮下和久課長(53)は「開園状況の問い合わせが利用者から多く寄せられるが、来場された方は誠意を持って受け入れる。万全の感染対策で、利用者に少しでも心が安らぐ空間を届けていきたい」と話している。

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