埼玉新聞

 

<新型コロナ>まん延防止、さいたまと川口が対象 学校は主要感染経路でなく休校要請なし N501Y拡大

  • 埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 県は15日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、国にまん延防止等重点措置の適用を要請することを決め同日夜、要請した。期間は20日から5月11日までになるとみられ、対象地域はさいたま市、川口市を軸に調整する。会合後、大野元裕知事は記者団に対し、全国的な変異株の拡大などに触れ「変異株の爆発的な感染拡大の可能性も否定できない。先手先手の対応が必要と判断した」と要請に至った理由を述べた。

 感染拡大防止を目的に、対象範囲内飲食店に対し、営業時間を午後8時までとする時短営業を要請。県が店舗に立ち入り、防疫措置を確認、認証する。また全県で感染が広がっていることから、重点措置対象以外の地域でも「法に基づいた一定の要請を行う」とした。

 学校へは「現時点では若年層の感染の割合が従来株よりも高いが、学校が主要な感染経路になっていない」とし、感染防止策を徹底することを前提に、休校要請などの措置は行わない。

 知事は3月の緊急事態宣言解除以降、県内でも新規感染者が増加傾向にあることに加え、感染力がより強いとされる変異株「N501Y」が県内でも割合が増えつつあることを特に重視。今後、感染者が爆発的に急増した場合の対応には「現時点では具体的措置や要請は検討していない」と断りつつ、大阪府など関西圏の感染者急増例を挙げ「行政側としては最悪のシナリオを想定しながら、さまざまな準備をしている」と危機感を述べた。

 まん延防止等重点措置は、2月に施行された改正新型コロナ特措法で新設された措置。緊急事態宣言に準じた感染対策が可能で、首相が都道府県単位で対象地域と期間を定める。範囲は市区町村単位などに絞ることができる。指定地域の知事は、飲食店への営業時間短縮などを命令する権限を持ち、正当な理由なく命令に応じなければ、20万円以下の過料を科すことができる。

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