埼玉新聞

 

山田うどん、生そばに切り替え 埼玉・所沢の店舗から試験導入 10月のメニュー切り替えで全店拡大へ

  • 山田うどんでは、提供するそばを「ゆでそば」から「生(なま)そば」に切り替える。14日から一部店舗で試験導入し、10月にも全店に拡大する(山田食品産業提供)

 「ファミリー食堂山田うどん食堂」を展開の山田食品産業(所沢市)は、集客強化へ提供するそばを生(なま)そばに切り替える。現状は基本的に自社工場で生産のゆでそばを使用し、直近では月間約30万食を作っている。まずは14日から一部店舗で従来の価格を変更せずに試験的に始める。店舗で気付いた課題の改善などを推進。10月のメニュー切り替えのタイミングで、全店に拡大する方針だ。

 所沢林店(所沢市)から試験導入する。他の店舗でもテスト販売する予定だが、数店舗に限る。生そばの茹で時間は2分程度。たぬきそば(税込み280円)、ざるそば(同300円)など、価格は変更しない。

 提供の麺は自社工場のセントラルキッチン(入間市)で作る。生産へゆでそばの生産ラインの工程を一部見直した。生産した物をテスト販売する店舗に出荷する。

 テスト販売中は、店舗ではキッチン設備の検証やオペレーションの確認などを行い、10月の本格導入に備える。工場設備では、テスト販売中は一部のラインで生産するが、10月に向け本格的に設備を改修し、全店に供給可能な体制にする。

 近年は都心部で立ち食いそば業態を展開するチェーン店の運営企業が、事業拡大へ郊外エリアへの出店を加速する。ロードサイドなど郊外エリアは山田うどんの主力市場だが、競合の増加に加え、新型コロナウイルス禍の余波で客数が減少するなど市場環境は厳しくなり、新たな集客策を講じる必要性に迫られている。

 既にうどんに使う小麦は全て国産に転換済み。新たに生そばを導入することで、新規ファンの掘り起こしや既存客の囲い込みなどを狙う。

ツイート シェア シェア