埼玉新聞

 

<新型コロナ>高齢者のワクチン、さいたま市分から順次分配 新規感染者が再増加の兆候、知事が危機感

  • 高齢者の新型コロナウイルスワクチンの分配※県発表

 埼玉県の大野元裕知事は12日の会見で、高齢者の新型コロナウイルスワクチンについて、4月第2週(5日~)にさいたま市975人分から順次、県内に分配されることを明らかにした。分配量は限定的で、知事は「高齢者向けの分配が始まるのを歓迎したい。ただ量はあまりにも少ない」と指摘し、円滑な接種実施のため、国にさらなるワクチン確保を求める考えを示した。

 県によると、高齢者向けとして今回、県内での分配が決まったのは約1万1千人の接種分のワクチン。分配はさいたま市からスタートし、第3週(12日~)は川口、和光、本庄、戸田の各市と寄居町に各975人分、第4週(19日~)はふじみ野、川越、三郷、所沢各市と毛呂山町に各975人分、第5週(26日~)は63市町村に485人分が分配される。

 県によると、各市町村への分配量は高齢者の人口規模や、昨年12月ごろから始まった第3波の高齢者人口に占める陽性者の割合を反映させ、算定したという。

 誰に接種するかは、分配された市町村が決定する。知事は「本格的な接種が開始される前の試行的な接種として活用いただきたい」とし、市町村の考えを優先させるとした。

 また知事は8日に緊急事態宣言が延長された今週の新規感染者数が、前週を上回って推移している状況を説明。1人の患者から何人に感染が広がるかを示す実効再生産数も1を超える日が続いていることから「下げ止まりどころか、リバウンド(再増加)の兆候すら示している」と危機感を示した。

 感染拡大防止のために不要不急の外出自粛や基本的な対策の徹底、卒業旅行を控えることや、歓送迎会、謝恩会の自粛も呼び掛けた。

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