埼玉新聞

 

リンゴのマークのカード、知らずに買うのは詐欺?声掛け流されるも通報 春日部署、被害防いだ男性に感謝状

  • 感謝状を受け取る田代順一さん(左)(春日部署提供)

 電子マネーを買わせ現金をだまし取る特殊詐欺を未然に防いだとして、埼玉県の春日部署は、川越市の自営業田代順一さん(51)に感謝状を贈呈した。田代さんは被害男性が電話で「リンゴのマーク」と話していたことから詐欺を疑ったという。

 同署や田代さんによると、2月12日午前11時半ごろ、春日部市内のコンビニエンスストアから出てきた高齢男性が、携帯電話で話しながら車に乗り込んだという。「この店にリンゴのマークのカードはなかった」と男性。相手から不正な請求があるとだまされ、電子マネーを購入するよう指示を受けていた。仕事で市内に訪れていた田代さん。店舗駐車場で休憩をしていたところ、隣の車の男性の会話が聞こえてきた。田代さんは「本人が知らないまま電子マネーを買おうとしていた。おかしい」と思った。

 リンゴのマークは、コンビニ店などで販売されている電子マネーのカードの図柄。「聞いているうちに詐欺と分かった」と田代さん。田代さんは、近くのコンビニ店に向かった男性を車で追い掛け、男性に声を掛けたが一旦は「大丈夫です」と受け流された。

 田代さんは「間違っているかもしれない」と思いながらも110番し、経緯を説明。男性はさらに別の店舗で電子マネーを購入していたところを警察に発見され、だまされたことに気付いたという。田代さんは「こんなに身近で起こると思わなかったので怖い。父親が(男性と)同じくらいの歳。被害に遭わずによかった」と話した。

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