埼玉新聞

 

<新型コロナ>埼玉ワクチン第一弾は42病院に分配 コロナ診療に積極的な医療機関を優先 再凍結しないで

  • 埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 埼玉県は1日、国から送付される新型コロナウイルスの医療従事者向けのワクチンについて、第1弾の分配を受ける病院と郡市医師会向けに説明会を開催した。30の郡市医師会や42病院などの関係者ら267人が会場の県県民健康センター(さいたま市浦和区)やオンラインで参加した。

 県保健医療政策課は分配先の42病院について、▽確保病床数▽病床使用率▽疑い病床数▽年末年始や土日夜間の輪番参加日数―の4点を考慮し、「コロナ患者の診療に積極的な医療機関を優先した」と説明した。

 分配先の病院で1箱(975回分)のワクチンを使い切るか、地域の他病院にさらに分配するかといった接種パターンの決定から接種実施までの手続きについても解説。郡市医師会には、接種パターンやワクチンの移送計画を5日までに県に報告するよう求めた。移送を受ける病院には、ワクチンを超低温冷凍庫で再凍結せず、冷蔵庫で保管するよう注意を呼び掛けた。

 質疑応答では、医療従事者向けの接種が完了しないうちに高齢者向けワクチンが配分された際の転用の可否などについて質問があり、県の担当者は「国の仕組みで配分されたものについて県が勝手に変えるのは難しい。国に対して医療従事者向けの充足を第一義的に行うよう話していく」と答えた。

 参加した浦和医師会ワクチン担当の西村直久医師は「(ワクチンを)接種していない医療従事者から接種を受ける高齢者は不安だろうし、同時並行で高齢者向け接種を行うのは医療機関にとって負担が大きいだろう」と懸念を示した。

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