埼玉新聞

 

インスタントラーメン使った手軽料理、坂戸で競う 栄養バランス考え学生ら考案、優勝したメニューは

  • コンテストで優勝した料理の写真を紹介する大沢幸之助さん=坂戸市の城西大学

 日本即席食品工業協会主催の「インスタントラーメン オリジナル料理コンテスト」が先月、女子栄養大学(坂戸市)の駒込キャンパス(東京都豊島区)で開催され、城西大学(坂戸市)薬学部医療栄養学科1年の大沢幸之助さん(18)考案の「イカスミインスタントリゾット」が優勝した。大沢さんは「これまでの経験や努力を生かせた」と優勝の喜びをかみ締めた。

 インスタントラーメンを使い、栄養バランスを考えた手軽にできるメニューを提案するコンテストで、今回で17回目。食のプロを目指す学生が対象で、1397通の応募の中から書類通過の12人がコンテスト当日、考案メニューを調理した。

 大沢さんは、シーフード味のカップ麺を砕いてリゾット風にし、市販のイカスミソースなどで調理した彩り豊かなメニューを提案。「人と違う料理にしたくて、麺をお米に見立てたリゾットを考えた。すぐできる即席麺の利点を失くさず、市販のソースや手元にあるもので簡単に調理できる料理を考案した」

 勝手の違う調理場で、15分以内という制限時間内での調理は、緊張の連続。さらに、審査員が大沢さんの料理を試食した瞬間、朗らかだった雰囲気が一変したという。「やばいと思ったが、結果は優勝。優勝商品の一眼レフカメラを手にしてようやく実感が湧いた」と笑う。

 審査員からは絶賛のコメントが次々と上がった。特に、無駄をそぎ落としたシンプルな調理法や、カップ麺の容器を切ってリゾットの形を整える簡易道具に工夫したこと、材料以外にガスコンロと水さえあれば災害時にも調理できることが高く評価された。

 同学科の伊東順太助教(36)は「授業の一環で毎年、同コンテストに応募しているが、優勝は初。大沢君は応募前に料理のイメージを絵にし、忠実に具現化した」と感心する。「中学・高校と美術部だった。図工も得意。これまでの経験や努力を生かせたことが今回の結果につながった」と振り返った。

 幼いころ病弱だったことから、将来は病院の管理栄養士を目指している。「これからも努力して、大きくなくてもいいから小さな成功を積み重ね、患者のためになる栄養士になりたい」と目を輝かせた。

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