埼玉新聞

 

<乳児死亡>生後3カ月、骨折でミルク飲めず…虐待発覚が嫌で病院に行かず死亡 両親逮捕「体が青白い」

  • 現場となったアパート=美里町関

 衰弱した生後3カ月の四女を放置して死亡させたとして、県警捜査1課と児玉署は20日、保護責任者遺棄致死の疑いで、いずれも美里町関の無職の父親(29)と母親(28)を逮捕した。死亡した四女喜空(きあ)ちゃんは顎や肋骨(ろっこつ)を骨折しており、ミルクを飲んだりすることが困難な状態だったという。県警は父親らが日常的に虐待していた可能性もあるとみて調べる。

 逮捕容疑は昨年8月ごろ、自宅で、ミルクを飲まず低体重、低栄養状態だった喜空ちゃんに医師の診療を受けさせないで放置し、同年9月11日に死亡させた疑い。

 いずれも容疑を認め、父親は「私が喜空にけがをさせた。虐待で捕まるのが嫌で病院に連れて行かず、そのままにした」、母親は「病院に連れて行かなければいけないと思ったが、夫に拒否されて従ってしまった」と供述しているという。

 同課によると、喜空ちゃんは双子の姉と比べて体が小さく、同年齢の平均体重を下回っていた。上半身の骨折によりミルクを飲むことが困難になっていたという。

 昨年9月11日午前1時11分ごろ、母親が「子どもの様子がおかしい。体が青白くなっている」と119番。喜空ちゃんは意識不明の状態で搬送され、病院で死亡が確認された。

 病院が県警に通報。司法解剖の結果、死因は全身機能障害だった。低栄養状態で免疫力が低下し、体の傷から細菌に感染したことが原因とみられる。

 昨年8月23日には近隣住民の40代男性から、「近所に住む子どもの泣き声がうるさい」と通報があり、児玉署員が自宅を訪問。喜空ちゃんを含む子どもたちにあざなどは見つからず、虐待事案には当たらないと判断した。町や児童相談所には情報提供したという。

 捜査関係者によると、両容疑者は逮捕前、県警の任意の調べに、関与を否認していた。県警は自宅の検証や関係者の聴取などから、両容疑者が適切な保護をせずに死なせたと判断した。

 県警は喜空ちゃんが親から暴行を受けてけがしたとみて、動機や経緯を調べる。

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