埼玉新聞

 

中学生の進学希望99・2% 県が調査、私立人気続く 公立普通科で最高倍率は市立川越、1倍切る伝統校も

  • 県内中学生の進路希望、公立普通科が1・19倍

 埼玉県教育局は12日、2021年3月に県内中学校(国公私立、特別支援)を卒業予定の6万1742人の進路希望調査結果(昨年12月15日時点)を発表した。希望校未定を含めた進学希望者の割合は99・2%で、2018年同期などに並び過去最高となった。一方、旧制中学の歴史がある伝統校の熊谷や春日部などの倍率が1倍を下回り、同局の担当者は「私立や通信制の人気が高まる近年の傾向が続いている」と指摘した。

 全日制高校希望者5万6315人(前年同期比1723人減)のうち、県内公立は4万408人(同2052人減)、同私立は1万1281人(同568人増)となった。定時制は883人(同51人減)、通信制は2414人(同469人増)、特別支援学校は1183人(40人増)だった。

 県内全日制公立高の倍率は普通科1・19倍、専門学科0・91倍、総合学科0・96倍。普通科で最も倍率が高かったのは市立川越で2・90倍。専門・総合学科では大宮の理数科の2・18倍だった。

 倍率が1倍を切った学科・コースは139あり、1倍を切った学科・コースが一つでもある公立高校は81校。県立高校では熊谷0・93倍、熊谷女子0・99倍、春日部0・99倍のほか、松山0・88倍、松山女子0・92倍など。

 高校進学塾「スクール21」の担当者は「新型コロナウイルスの影響で見通しが難しいが、安全志向で難関校を避ける傾向があるのではないか」と指摘。さらに、「今は伝統校であっても学区などの縛りがなくなったため、一部の学校は以前より入りやすくなっている。しかし現時点で倍率が低くても本番で多くの人が受ける可能性があり、注意が必要」との見方を示した。

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