埼玉新聞

 

ふわっとした食感のかき氷に 長瀞で天然氷の切り出し始まる 今季は寒さ厳しく「もう一回できれば」

  • 次々に切り出された銀色に輝く天然氷=9日午前9時20分ごろ、長瀞町本野上の製氷池

 埼玉県の長瀞町本野上の阿左美冷蔵(皆野町)の製氷池で9日、極寒の中、名物のかき氷に使う「天然氷」の切り出しが始まった。関係者らが銀色に輝く氷の板を運び出した。水のおいしさが感じられる天然氷は氷の結晶が大きくて硬く、かき氷にすると、ふわっとした食感になるのが特徴。25メートルほどの広さが2面ある製氷池では、昨年12月中旬から凍り始めた。今季は寒さが厳しくなり、氷の厚さは12・5~13センチまでに成長した。

 関係者たちは天然氷を縦50センチ、横70センチの大きさに切り出した。氷ばさみや手かぎを使って次々にトラックへ積み込んでいた。阿左美幸成さん(45)は「昨年は暖冬で切り出しは2月中旬だったが、今年は例年並みで、今シーズンにもう一回氷ができれば」と話した。

 熊谷地方気象台によると、9日は県内の観測地点7カ所で今季最低の気温を観測。鳩山で氷点下9・9度、寄居では観測史上最低の同8・9度を記録した。

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