埼玉新聞

 

一晩寝かせた特製チャーハン! ラーメンとの絶妙バランスが好評、看板メニューに 三芳の「河童軒」

  • 人気のランチメニュー「ラーメンと半チャーハン」

    人気のランチメニュー「ラーメンと半チャーハン」

  • 厨房(ちゅうぼう)でチャーハンを炒める店主の田中栄一さん=埼玉県三芳町藤久保の「河童軒」

    厨房(ちゅうぼう)でチャーハンを炒める店主の田中栄一さん=埼玉県三芳町藤久保の「河童軒」

  • 人気のランチメニュー「ラーメンと半チャーハン」
  • 厨房(ちゅうぼう)でチャーハンを炒める店主の田中栄一さん=埼玉県三芳町藤久保の「河童軒」

 1975(昭和50)年創業の老舗。当初は、父親が考案したスープレシピに生のキュウリを乗せた昔ながらの醤油(しょうゆ)ラーメンを出したのがスタートだった。先代を継いだ2代目、田中栄一さん(56)の今は、平日より土日に店舗が家族連れで埋まる“地域の食卓”となっている。

 国道254号(川越街道)上り車線沿いで、釣り道具屋を営んでいた父親が店舗の脇に出店した。チェーン店の進出などにより、同店は3年後に閉店。長男だった田中さんは高校卒業後、調理師学校に入り、東京・新宿歌舞伎町の中国料理店で修業を積み、実家に戻った。

 中学時代、柔道に没頭した田中さんは3年生の時、全国大会で3位に入賞する腕前だった。高校でも柔道部に入り、将来を嘱望されが、その頃、父親は病気がちで店舗は母親が1人で切り盛りしていた。「柔道で食べるのは難しい。母親を助けてあげたい」と柔道を諦めたという。

 店を継いだ田中さんは麺類だけの店舗から脱皮するため、秘伝のラーメンに合うチャーハンを考案。コシヒカリに干しシイタケなどの具材を加え、炒めた後に一晩寝かせた上、注文を受けて炒める際に焦がしを入れ、ラーメンと半チャーハンのセットメニュー(税込み880円)を提供した。

 これが大ヒット。「あっさりしているが、こくのあるラーメンと香ばしいチャーハンのマッチングが絶妙」と口コミが評判となり、テレビ番組でも取り上げられた。ランチ用のメニューだが、今では1日に平均50食、多い時には80食超の注文が入る店の看板メニューになった。

 田中さんは「お客さんにおいしいと言ってもらえるために初心を忘れず、一品一品丁寧に作ることを大切にしています」と話す。

【メモ】河童軒(かっぱけん) 三芳町藤久保16の18(電話049・259・2288)。午前11時~午後2時、同5時~午後8時半。月曜定休。東上線鶴瀬駅西口から徒歩約20分。

【主な人気メニュー】ラーメン(590円)、チャーハン(740円)、マーボーラーメン(910円)、チーズ肉みそラーメン(970円)、焼肉定食860円、キャベツと肉の甘みそ炒め定食(860円)。全て税込み。

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