埼玉新聞

 

とっさに体動いた…交通事故に遭遇した理学療法士、意識不明の女性に心臓マッサージ 秩父署が感謝状

  • 石山隆署長(左)から感謝状を受け取った上脇香穂さん=21日午前9時ごろ、秩父署

 埼玉県の秩父署は21日、交通事故現場で人命救助に貢献したとして、ふじみ野市の理学療法士上脇香穂さん(28)に感謝状を贈呈した。上脇さんは現場に偶然居合わせ、意識不明だった女性に心臓マッサージを実施するなど、医療現場での経験を生かして救命活動を続けた。同署の石山隆署長から感謝状を受け取った上脇さんは「倒れている人を見たので、とっさに体が動いた」と語った。

■秩父署から感謝状

 同署によると、7日午後5時10分ごろ、秩父市野坂町の国道140号で、同市の無職女性(78)が道路を歩いて横断中、車にはねられた。遭遇した上脇さんは意識不明で路上に倒れていた女性に心臓マッサージを行い、通報で駆け付けた救急隊員に引き渡した。

 上脇さんはちょうど、秩父市の友人に会った帰り道だった。現場では先に心臓マッサージをしていた人がいたが、「心臓マッサージが心臓まで届いていない」と判断。三芳町のイムス三芳総合病院リハビリテーション科に勤務している上脇さんはBLS(一時救命処置)講習を昨年受けており、救急隊員に携帯電話のスピーカーで状況を伝えながら、必要に応じて心臓マッサージを繰り返した。

 女性は日高市内の病院に搬送され、骨盤骨折などの重傷を負ったが、意識が回復し、一命を取り留めたという。石山署長は「助かりました」と上脇さんに感謝状を手渡した。

 上脇さんは「(女性が)気になっていたけど、助かったという話を聞いてひと安心した。自分も脈を取ることに手間取ったりしたけど、いい経験になった。(女性は)リハビリの最中だと思うので、頑張ってもらえれば」と笑顔で話していた。

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