埼玉新聞

 

<埼玉文学賞>小説部門正賞、コロナの時代の家族描いた作品に高い評価 詩と俳句部門の正賞該当作はなし

  • 小説部門正賞の渓木けいさん(筆名)

  • 短歌部門正賞のえんどうけいこさん

 埼玉新聞社制定・埼玉りそな銀行特別協賛の「彩の国 埼玉りそな銀行 第51回埼玉文学賞」の受賞作が決まった。小説部門正賞(賞金100万円)には渓木けい(筆名)さん(31)=さいたま市=の「つぎつぎ、生(な)る」、短歌部門正賞(同30万円)にえんどうけいこさん(47)=筆名、狭山市=の「二重の虹」に決定した。詩と俳句部門の正賞該当作はなく、それぞれ2作品が準賞に選ばれた。

各正賞、準賞作品はこちら

 授賞式は19日にさいたま市内で開かれる。

 「つぎつぎ、生る」は、コロナ禍で実家に戻ってリモートワークをする主人公を軸に、離婚して出戻ってきた姉、都内からコロナ疎開をしてきた姉の息子、老母らの思いが交錯する。"コロナの時代"の家族を描いた作品として高い評価を受けた。「二重の虹」は、何でもないような日常の描写をセンス良くすっきりと表現。現代的で独特な文体の新しさが評価された。

 詩部門準賞(賞金15万円)は、鈴木憲夫さん(67)=鳩山町=の「家族=運動着」と、一橋省吾さん(35)=筆名、さいたま市=の「言の葉」。俳句部門準賞(同)は、浅野都さん(77)=筆名、川口市=の「結び」と、箱森裕美さん(40)=筆名、川口市=の「傾ける」が選ばれた。

 第51回埼玉文学賞は5~8月に作品を募集し、全国から655点の応募があった。部門ごとの応募数は、小説部門が161点、短歌部門が106点、詩部門が275点、俳句部門が113点。審査会は10月16日にさいたま市内で行われた。

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