埼玉新聞

 

<新型コロナ>初詣、正月三が日にこだわらないで 大勢の人出予想、分散参拝で感染予防を マイひしゃくも

  • ガイドラインについて大野知事に説明する三峯神社の中山高嶺宮司(左)=23日午後、県庁知事室

  • 大勢の初詣客でにぎわう氷川神社拝殿前=2020年1月2日午後、さいたま市大宮区

 大勢の人出が予想される新年の初詣の新型コロナウイルス感染を防ごうと、県神社庁の中山高嶺庁長(秩父・三峯神社宮司)らが23日、県庁を訪れ、神社側の対応をまとめたガイドラインを大野元裕知事に提出した。参拝者のマスク着用や滞在時間の短縮、手水(ちょうず)のために「マイひしゃく」を持参してもらうなどの対策を策定している。正月三が日にこだわらない分散参拝も呼び掛けており、中山庁長は「感染症予防を徹底し、安心して祈りをささげていただく環境を整えたい」と話している。

 県神社庁は今月から新型コロナ感染防止のキャンペーンを始め、正月三が日にこだわらないで参拝時期を前後にずらすことや、会社や団体による祈祷(きとう)は日程や人数を調整することなどを呼び掛けている。

 大野知事に提出したガイドラインは感染症専門家の監修のもと、県神社庁が神社側の対応をまとめた。年始の混雑時に人との距離を最低1メートル確保するのは困難なものの、マスクをして大声の会話を控えれば問題ないとし、おみくじや絵馬のある場所にアルコール消毒液を設置することや、拝殿前の鈴緒を参拝者が使う際には消毒するよう求めている。手水舎では「マイひしゃく」の利用を呼び掛けることや、臨時のさい銭箱を設けて同時に複数人がお参りできるようにすること、神社がさい銭を扱う際は手袋を着用することも記載している。

 参拝の時期をずらすよう呼び掛けるポスターやチラシも作成し、ホームページで公開。全国に先駆けた取り組みに28都府県の神社庁が賛同している。

 県神社庁によると、初詣に時期の定義はなく、1月以降の参拝や、年末に一年の感謝を込めた参拝も意義があるという。

 県神社庁副庁長を務める高麗神社(日高市)の高麗文康宮司は「安心して参拝していただけるような対策を練ってお迎えしたい。良い正月をお迎えいただければ」。同理事で今年の三が日には約220万人が参拝に訪れた氷川神社(さいたま市大宮区)の東角井真臣権宮司は「安心、安全に参拝していただくことが本義。参拝される方にもご協力いただきたい」と話した。

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