埼玉新聞

 

最高齢101歳男性、さいたま市長が祝う 以前は毎晩自転車でカラオケ、焼肉「今も介護ない」長寿の秘訣は

  • 清水市長(右)から花束を受け取る町田さん=10日午後、さいたま市緑区(さいたま市提供)

 今月21日の敬老の日を前に、さいたま市の清水勇人市長が、緑区の男性最高年齢者である町田正吉さん(101)宅を訪問し、長寿を祝った。町田さんは大のカラオケ好きで、90歳すぎまで友人とカラオケを楽しむのが日課だったという。清水市長は「御長寿おめでとうございます。これからも長生きしてくださいね」と話し、賞状や記念品を手渡した。

 町田さんの長女、正乃さん(59)によると、町田さんは1918(大正7)年、栃木県佐野市生まれ。20、30代は横浜で鉄鋼関係の仕事をし、40歳から60歳まで、蕨市内の中学校で用務員をしていた。妻フキさん(享年62)との間に、正乃さんと保さん(60)の2人の子供がおり、現在は孫5人、ひ孫が7人いる。

 「外に出ることが好きで、家に居た記憶はほとんどない」と振り返る正乃さん。90歳すぎまで毎晩のように自転車に乗って出掛け、仲間とカラオケや焼き肉を楽しんでいたという。カラオケでは以前、テレビ番組に出演し賞をもらったこともあり、「大声を出してストレスを発散することが長生きにつながったのかも」と正乃さんは話す。

 90歳過ぎまで酒を飲み、タバコは97歳まで吸い続けた。定期的に運動をしていたこともなく、「自分の好き通りにやっていた」と笑う正乃さん。食事は今でも3食をきちんと取り、うなぎと焼肉が好物だという。

 最愛のフキさんが約35年前に肺がんで亡くなってからは、保さん一家と過ごし、現在は正乃さんと2人で生活。耳は遠くなったが普通に会話もでき、テレビ鑑賞が今の一番の趣味になっている。

 受賞を受けて町田さんは「うれしい。食べたいものをおいしく食べてきたから」と長寿の秘訣を披露。正乃さんは「トイレも食事も自分ででき、介護らしい介護は何一つしていない。今まで通り、これからも元気でいてほしい」と父親に優しく語り掛けた。

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