埼玉新聞

 

<高校野球>狭山ケ丘と昌平、初めて挑む決勝…私学4強中心の埼玉に新たな息吹 夏季大会を振り返る

  • 試合終了の整列後、互いの健闘をたたえ合う狭山ケ丘と昌平の選手たち=23日、メットライフドーム

 新型コロナウイルスの影響で全国高校野球選手権と同埼玉大会が中止となり、代替で開催された夏季埼玉県高校野球大会は23日、狭山ケ丘の優勝で幕を閉じた。狭山ケ丘は全国高校野球選手権埼玉大会を含む夏の県大会だけではなく、春秋の県大会を通じても初めて挑む決勝だったが、一気に頂点を奪取。準優勝の昌平も、夏の県大会は初めての決勝に臨んだ。埼玉の高校野球界は近年、花咲徳栄をはじめ浦和学院、春日部共栄、聖望学園の私学4強を中心に展開されてきたが、新たな息吹を感じさせた。

 狭山ケ丘は8試合のうち6試合で先制点を奪い、計89安打69得点の攻撃力を誇った。7イニング制で行われた今大会にふさわしい、先行逃げ切りの試合運びが功を奏したとも言える。

 投手陣も大会序盤は小泉がマウンドに立ち、勝ち上がるに従ってエース清水が先発完投。複数の投手を有効に起用しながら大黒柱を大一番まで温存することで、猛暑の中での大会を息切れすることなく乗り切った。

 昌平は前評判通り、1~5番まで強打者がそろう打線が魅力的だった。東部地区大会決勝までの打率が5割8分超の千田と角田は、県大会に入っても実力を存分に発揮。課題だった投手陣が整備されたことで、準優勝までたどり着いた。

 この両校は今大会の躍進によって、初の甲子園出場を現実的な目標として掲げ、新チームをスタートすることだろう。

 準決勝で昌平に屈したが、浦和学院の強力打線も迫力があった。6試合中、4試合でコールド勝ち。好投手がそろう南部地区大会を勝ち抜いた底力は、さすがだ。投手陣もエース美又に加え、広咲も好投を披露。高いレベルで投打にバランスが取れたチームだった。

 正智深谷は準決勝で優勝した狭山ケ丘に敗れたが、エースで4番の北田が大車輪の働き。北部地区大会で防御率0・41、チーム最多の10打点を記録した。北田とともに打線を引っ張った田渕、萩原の活躍も大きい。

 昨夏まで全国高校野球選手権埼玉大会を5連覇し、優勝候補の筆頭だった花咲徳栄には、過密日程による疲労があったのかもしれない。10日に「2020年甲子園高校野球交流試合」に出場し、13日に今大会初戦を迎えた。だが、東部地区大会準決勝で鷲宮に苦杯。公立校は県大会まで勝ち残れなかったものの、花咲徳栄を倒して唯一地区大会決勝に進んだ鷲宮が存在感を示した。

 大会では飛球の落下点を見誤って長打にする場面が目立った。多くの学校が約3カ月半練習を自粛したことが影響し、打球への感覚が鈍っていたと考えられる。個人記録では、白岡の安類が東部地区大会1回戦でサイクル安打をマークした。

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